2日目

敦煌への飛行機は朝7時半発予定。だから、いくらホテルが空港に近いとはいえ、6時15分にはホテルを出ないといけない。
5時半からホテルのレストランが使えるというので、朝食をかっこんで空港に向かう。

で、空港ですが、中国もGWだからか(中国は5月1日のメーデーからGW)、大賑わい。中国でも飛行機を使って旅行する人が増えたんだなあ・・。経済成長は本当なんだね。
目指す敦煌は中国甘粛省北西部にある。紀元前111年に前漢の武帝が設置した河西四郡の最西端にあって、いわば、西域の玄関口ともいえる場所だ。
地図を見ると、甘粛省というのは、内蒙古自治区とチベットへの入口とも言われる青海省に挟まれた細長い形をしていて(河西回廊とはよくいったものだ)、西隣は広大な新疆ウイグル自治区となっている。
昔から様々な民族が入れ替わり立ち代り敦煌の支配者になったというけれど、現在も、様々な民族が周囲に暮らしているんだな・・。


今回の旅は敦煌にさえ着いてしまえば、後は敦煌に4連泊してバスで観光してまわることになっている。だから、敦煌までの飛行機、そう、今朝の飛行機さえきちんと飛んでくれれば、後は大きな波乱は起きようもない。

とはいえ、中国の飛行機である・・・。
1日飛ばないとかいうことだってあるしな〜〜ということで、飛行機がちゃんと飛ぶかどうかが心配材料だったんだけど、案ずるよりなんとかで、僅か35分遅れの8時5分に飛行機は無事離陸。よかった〜♪

飛行機は、乾いた北京の街を離れ、後はな〜〜んもない不毛の大地を飛び続ける。これってゴビ砂漠なのかなあ・・・?

ひたすら茶色いな〜〜んもない大地の上を飛び続けて2時間半ほど経ったころ、窓から白いものが見えてきた。
始めは雲かと思ったけれど、近づけば雪を抱く山脈である。

後で教えてもらったんだけど、どうやら、これが敦煌などオアシスの水源となっているキレン山脈らしい。


敦煌はゴビ砂漠のオアシス都市だけど、そもそも、なんでオアシスに水があるかというと、このキレン山脈の雪解け水が地下水となってるんだそうだ。だから、この万年雪はオアシスの水源ということになる。


山脈が見えてまもなく飛行機は敦煌に着陸。着いたのは10時53分。北京から約3時間だな。

飛行機のドアが開いた瞬間、スチュワーデスが顔をしかめた。なにかと思えば・・・凄い風。飛ばされるよお。目が砂で痛いよお。

敦煌の空港は敦煌の街から13キロほど離れた郊外にあるんだけど、市内に向かうバスから見た風景はこんな感じ・・・

黄砂が吹き散らかされてるんでしょうね、空の色が茶色いや・・・。





今日は敦煌近郊の鳴沙山(めいさざん)と月牙泉(げつがせん)というのを観光することになっているんだけど、鳴沙山というのは砂の山である。この強風の中、訪れるのは、ちと暴挙であろう・・・ということで、ホテルで昼食を取ってから、風が穏やかになるのを待つことになった。ゆとりがある日程なんで、こういうところは助かる。


で、これから4日間お世話になるお部屋が→

3つ星ホテルで絲路賓館というホテルであります。
ホテルの日本語パンフレットでは「ツルワロードホテル」でしたがシルクロードホテルなんでしょう(笑)。
敦煌のいいホテルというと敦煌賓館とかが有名で、ここはそこよりレベル落ちるんだけど、まあまあだった。
水がちょっと消毒臭が強かったけど、お風呂のお湯は出たし、なにより部屋にお湯が沸かせるポットがあるんで助かる。これで日本から持ってきたコーヒーが飲める。

そういえば、中国のホテルって、大体、ポットがあるよね、やっぱりお茶を飲む文化だからかなあ。




鳴沙山・月牙泉

風がおさまったので、2時半にホテルを出発して、バスで鳴沙山に。なんか、あっという間に駐車場についてしまった。市内から5キロだってさ。道理で・・。
鳴沙山というのは地球の歩き方によると「東西約40km、南北20kmにわたる広大な砂の峰」。5色の砂(赤・黄・緑・白・黒)で出来ていて、天気によって表情を変えると言われており、敦煌の名所のひとつ。「鳴沙山」という名前の由来は、現地ガイドさんによると、風で山が鳴るような音がするからとも、この山を滑ると音がするから、とも言われている。
そして、その鳴沙山の谷あいにある泉が月牙泉。砂漠の中のオアシスで昔から水が枯れないことで有名とか。


う〜ん。簡単に言えば、鳴沙山というのはでっかい砂の山ということだな。高さは165mほど(168mだったかな・・)。

今回のツアーに20年前に敦煌に来たことがあるという人がいたんだけど、彼女の話では昔はただ砂の山と泉があっただけで、他にはな〜〜んもなかったらしい。

でも、今は入口のゲートからして、なんか立派げです。
旗が翻ってるなあ。また風が出て来たのかな・・・。

門の後方に砂山が広がってるのが見える。
門のこっち側は町でおみやげ物屋さんなんかが並んでるんだけど、門の向こうは・・・。



門を抜けたら、そこは砂漠だった・・・。

左下の写真に砂山に黒い点々が見えると思うけど、これは登ってる人たち。

門の近くではふたこぶらくださんが大勢客待ちをしております(右下)。
足元の砂はサラサラしていて歩きにくいし、なんといっても「ふたこぶらくだ」には乗ったことがなかったんで、らくださんを利用することにしました。往復で30元。券に番号が書いてあって、どうやら帰りも同じらくださんに乗ることになっているらしい。

ふたこぶらくだは、よく調教されているみたいで、大人しいし、乗り心地もなかなか。ふたつのこぶの間に座るんで、中東のひとこぶらくだより乗り心地はいい気がするな。安定感があるんだよね。

でも、なんか、オアシスみたいなのが見えたと思ったら、あっという間に下ろされてしまった。池みたいのもあるし、ここが月牙泉かと思いきや、ここは最近作られた地下水をくみ上げているところで、目指す月牙泉は、ここからもう少し歩かないといけないらしい。

らくだから降りて10分くらい歩くと、ようやく月牙泉が姿を現わす。砂の中に三日月形の泉があって、その横には楼閣も作られている。これが月牙泉(左下)。
楼閣は文革のころ壊されたのを、ケ小平の時代になってから再建されたものらしい。

ここで1時間の自由時間。砂山に登ることにしたんだけど、これが地獄の苦しみでありました。登りやすいように階段ができていて利用料は30元。それでも登るたびに靴に砂が入るし、登っても登っても頂上につかないんだよね・・・・。
でも、苦労して登れば、見晴らしがいいんだ、これが。
上の写真も、砂山に登って撮ったもの。もうちょっと高く登ると敦煌の街まで見えるようになる。
登ったところで、お土産用の砂を取って(瓶詰めにすると砂が5色に分かれてきれいらしい)、途中から、そりで降りてきました(右上の写真で中腹に人が集まってるところが、そり乗り場)。でも、このそり、コツがあるらしくて、途中からは滑ってくれなくて手でこがなくちゃならなくて疲れた(笑)。

あ、それとこれは内緒の話らしいんだけど、実は月牙泉の水は枯れつつあるらしい。月牙泉に行く途中に地下水をくみ上げた池(貯水池?)みたいのもあったから、ちょっと気になってたんだけど、実は月牙泉の水もくみ上げているんだとかなんだとか・・・・。

中国ならではの環境問題なのか、世界的な異常気象とかの影響なのか・・・心配ですね。


ということで、たっぷり砂山で遊んで砂まみれになってホテルに戻ったのが夕方の5時。
お風呂に入って砂を落としてから(バスタブに砂がごっそりというのがコワイ)、街のレストランで夕食を取って、市場を見ながら帰ってきた。
市場ではウイグル族の女性がお菓子を売ってたり(左下)、お兄さんがおいしそうな麺を売ってたり(右下)、かなりの賑わい。もちろん、お土産屋も多かった。毛沢東語録とかも売ってたよ。


ということでホテルに帰ってきたのが夜の9時近くなんだけど、夜っていう感じが全然しない。暗くないんですよ。ようやく日が沈んだかな・・・くらいの明るさ。

中国では全国どこも北京時間で統一されているんだけど、実際には敦煌は北京から2時間遅れくらいの時差があっておかしくないらしい。つまり、夜の9時でようやく7時くらいの感じですか。市場が賑わうはずですね。
さて、明日は、いよいよ莫高窟を一日かけて回ることになってる。楽しみ〜。


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