2日目・アブシンベル


午前2時半・・・腰が痛くて起きちゃった。どうも、昨日のクフ王のピラミッドで中腰で歩き回ったせいらしい。今日は、一挙にスーダンとの国境近くのアブシンベルまで飛ぶ予定になっている。始めは朝の5時半の飛行機の予定だったのだけど、1時間遅い飛行機になってラッキー1時間ゆっくり眠れる・・と思ったんだけどなあ。

飛行機はアスワン経由でアブシンベルへと向かう。エジプトは数年前のルクソールのテロ以降、観光客の保護・テロ防止が国是となっているとのことで、国内線は飛行機に乗るまでに3回くらい荷物チェックを受けないといけない。安全のためとはいえ、結構大変。

アスワンで寄り道

飛行機が変更になったおかげ?で乗り継ぎ時間に余裕が出たので、アスワンで急遽寄り道

アスワンは明日1日かけてゆっくり観光することになっているのだけれど、とりあえずナイル河の小島のヌビア人の集落を訪れることになった。

ナイル河に浮かぶのはファルーカというエジプト式のヨットみたいなもの。

いっぱいナイルに浮かんですいすい走っております。

ファルーカを横目にナイル河に浮かぶエレファンティネ島へ。



エレファンティネ島に住んでいるヌビア人という人たちは、肌が黒いのだけれど、顔立ちがかわいい。
目鼻がくっきりしていて、口が小さくて。

ヌビア人というのは古代エジプトの時代からエジプト南部に住んでいて、エジプトの属国になったり、エジプトの影響を受けて王国を築いたりしていた人たち。

で、民家の入口や壁には、なぜかワニさんの干物というかミイラが・・・。
どうやら、お守りらしい。
左もナイル河にいたワニさん。




アブシンベル

寄り道の後は、本日のメイン、アブシンベルへ。飛行機はナイル河をせきとめたアスワンハイダムによってできた人造湖、ナセル湖の上を飛んでいく。ナセル湖、でかい。複雑な湖岸線が幻想的。アブシンベルはスーダンとの国境近くにある。なんといってもピラミッドと並ぶエジプトを代表するアブシンベル大神殿・小神殿が見どころ(というか、これを見るために、みんなアブシンベルまで足を運ぶ)。空港から10分たらずで神殿に着く。
アブシンベル大神殿・小神殿は、19世紀まで砂に埋もれていたため、保存状態が非常によい。といっても、今見ることができる大神殿・小神殿はアスワンハイダムによって水没することを避けるため、本来の場所から60m上に移動されたもの。巨大なドームを作り、そっくりそのまま移動したユネスコの大事業は世界中の協力で成し遂げられたもので、世界遺産を保護しようという動きも、この事業がもとになっているらしい。

ここでも持ち物検査を何回も受ける。

ゲートをくぐると、まず、大神殿。

この神殿は古代エジプトで最も自己顕示欲が強いラメセス2世が作ったもの。
なんせ、入口正面に並ぶ4体の巨像は全てラメセス2世である。
普通、そういうことってしないと思うんだけど、さすがファラオは考えることが違う。

このラメセス2世はエジプト中に建造物を建てまくり、自分の像を作りまくっている。
でも、そのころのエジプトは経済も盛んだったというから、公共投資だったのかもしれないけど。

ラメセス2世の巨像は高さ20m。足元には自分の奥さん、愛妃ネフェルタリ(右下)や子供達の像も刻まれている。奥さんのネフェルタリという名前は「美人の中の美人」とか「最高の美女」という意味だというから凄い。ちなみに、エジプト三大美人は、このネフェルタリとアマルナ時代の王アクエンアテンの妃ネフェルティティ、そして、クフ王の弟の妻のネフェルト。クレオパトラは5大美人には入っているけど、この3人には負けているらしい。



神殿内部はカメラ撮影禁止。
右は入口から内部を覗き込んで撮影したもの。

入ってすぐの大列柱室には、またもラメセス2世が8人オシリス神の格好で立っている。
この立像も、高さ10mというから凄い。

内部は撮影禁止なのが悔しいほど、保存状態がよくて、壁画がしっかりと残っている。
有名なのが、ヒッタイトとの戦闘を描いたもの。

本当は、ラメセス2世はカデシュの戦いで危ないところだったのに、国内では大勝利と宣伝を続け(もちろん、壁画の中では王様、大活躍である)、後世の学者達も、エジプトがヒッタイトに送った平和条約が発見されるまで騙され続けたのだから、それもまた、凄い。

しかも、この平和条約、世界最古の条約だというから、それもまた、凄い。
結局、偉いファラオである。

この神殿、一番奥の至聖所まで、多くの部屋が続いていて、内部は想像を越える広さ。
しかも、どの部屋も壁画・レリーフがとっても綺麗で見飽きない。
一番奥の至聖所にはラメセス2世を含めた4体の坐像があるのだけれど、年に2回、春分と秋分の日に、その像に日が差すのだそうだ。それもまた、凄い。
要するに、ここは、わかったわかった、あんたは凄い、のオンパレードである。

大神殿より奥に、小神殿がある。

この神殿、美人の中の美人ことネフェルタリ王妃のためにラメセス2世が作った神殿だそうな。

そのため、入口には王妃の立像もあるんだけれど、やっぱりラメセス2世の立像もあって、しかも王妃の立像(2体)より数が多い(4体)。

でも、古代エジプトでは王妃の姿は王の足元に小さく刻むのが通例なことを考えると、同じ大きさの像を複数刻まれた王妃はよっぽど愛されていたんでしょうね。



本によっては、この神殿、結婚25周年を記念して王妃に贈ったものと書いてある。

愛妻家です。ラメセス2世。
そういえば、ネフェルタリの墓は王家の墓の中でも一番綺麗だというしなあ。美人は得だよなあ。


こちらの神殿も内部は写真撮影禁止。
入口から撮ったのが左。


けれども、この神殿内部に描かれているネフェルタリ王妃は、本当に「美し〜〜!」と絶叫ものである。こっそり撮ろうという誘惑と戦うのは大変。
ハトホル女神に捧げ物をする姿や、楽器を演奏する姿など、とっても綺麗。

どうも彫刻だと美しさが今ひとつ伝わってこないんだけれど、壁画だと凄いなあ。
美人で、なおかつ、スタイルがいいんですよ。




ということで、大興奮のアブシンベル大神殿・小神殿でした。
でも、これで終わりではなく、実は夜に音と光のショーを見ることになっている。

ショーが7時半からだというので、一度、神殿そばのホテルに戻って時間つぶし。

ホテルはナセル湖のほとりにある(正確に言うと、神殿も、湖に面している)。
夕日が、きれいだ。





そして、7時半からはいよいよ、音と光のショー。

なんと本日は日本語バージョンである。どうも、何ヶ国語もあって、その日の観光客に合わせて何語を使うかを決めているらしい。
要するに、今日は日本人が多いんですな。クルージングの団体さんと一緒になったおかげであります。

このショー、期待してなかったんだけど、今迄で見たこの手のショーの中で一番良かったかも。かなり工夫されてます。しかし、エジプトで聞く日本語は、なんか不思議だ。



ということで、本日の観光も、おなかいっぱいでした。
これで、ホテルのシャワーからお湯が出たら、いうことなかったんだけどね。アブシンベル。
明日は、アスワンの観光である。




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