4日目・ルクソールへ


今日は、アスワンを出発して、ナイル川にそって北上し、ルクソールに向かうことになっている。途中で、コム・オンボ神殿とエドフ・ホルス神殿を見学する予定。
8時に観光客のバスがコンボイを組んで出発することになっている。ツアーとかの団体だけでなく、個人観光客も、このコンボイで移動しなくてはならないらしい。個人だと、結構、エジプト旅行は厄介かもね。8時にちょっと遅れて、バスは一斉にスタート。前と後ろに警察車両がいるらしいんだけど・・バスやらタクシーの数が多すぎて、よくわからない、ともかく凄い車列・・・。

コム・オンボ神殿
40分ほどで、コム・オンボ神殿に到着。

この神殿は、ワニの頭をしたセベク神とハヤブサの頭をしたホルス神を祀る神殿。
祀っている神様が2人(というのか?)なので、入口から奥まで、ず〜っと2つに分かれている。

ホルス神は既におなじみ。おさらいをすると、天空の神で、ファラオはホルス神の地上での化身とされている。
セベク神の方は、この地方で信仰された神様らしい。この地方には、ワニがたくさんいたので、ワニに食べられないように、ということなのか、ワニの強さにあやかろうということなのか、神様になっているとか。ここらへんの発想は、狼を神様にしてしまう日本と似ているかも。

左下の写真が、ワニの頭のセベク神。どことなく、強そうである。
右下の写真が、ホルス神。被っている王冠は上下エジプトの統一を意味する二重王冠。


ここのレリーフも綺麗なものが多いけれど、特に状態がいいのが、神殿の一番奥にある宝物庫のレリーフ。上のホルス神のレリーフは宝物庫内部のもの。暗いけれど、レリーフの細かい部分まで残っていて、とても綺麗。

それと、この神殿で人気なのが、クレオパトラのレリーフ(右)。

この神殿、クレオパトラゆかりのものが幾つかある。

右のクレオパトラのレリーフの他に、クレオパトラが使ったお風呂とかもある。
なんでも、クレオパトラはシーザーと結婚してから、新婚旅行でナイル川クルージングをしたそうで、その時、使ったお風呂だとかなんだとか・・・。

他にも、この神殿には医学の神イムホテプのレリーフや、出産のレリーフ、エジプトのカレンダーなどのレリーフがあるし、ワニのミイラもあれば、ナイルメーター(ナイルの水位を観測したもの)などもあって見どころが多い。

神殿には、ところどころ色が残っているところもあるし・・・あっという間に見学予定時間の1時間は過ぎてしまう・・・・。コンボイの出発を知らせるクラクションの音で最後は駆け足。
うう。もっと、ゆっくり見たいよお。

エドフ・ホルス神殿
コム・オンボ神殿からバスで1時間ちょっとで、エドフの町に着く。お次のエドフ・ホルス神殿は街中にあるのだけれど、行って驚いた。ともかく、でかいんですよお。

チケット売り場から、既に、で、でかい、という壁が見えるのだけど、ともかく、馬鹿でかい。
でかいせいか、入口まで、結構な距離がある。

しかも、正面の塔門(入口)まで来ても、余りにでかすぎて、カメラに収まりきれない。

人間の大きさから、いかにでかい建物か分かるでしょう?
入口の左右に2つ縦の溝があるけれど、もともとは、ここに旗を立てていたんだって。
なんでも、高さ36m、幅は137mだとか。
そういわれても、ぴんと来ませんが、ともかく、でかい、ということで。


塔門をくぐると広い前庭があって、更に第一列柱室、第二列柱室、至聖所と続くのだけれど、左は第一列柱室入口にあるホルス神の像。

これも、実は、かなりでかい。
人より大きい。
もともとは、第一列柱室入口の左右に一つづつあったらしいんだけど、今はもうひとつの方は壊れてしまっている。
ちょうど、神社の狛犬みたいな感じで左右にあったんですね。
でかいだけでなく、なかなかに洗練されたフォルム。ちょっと近代彫刻っぽいところもあるかも。

この神殿、こんなにでかいからか、完成するまで180年くらいかかっているらしい。
歴代のファラオが手を加え、最後に完成させたのは、クレオパトラのお父さんだとか。

クレオパトラのお父さんというのは、結構、色んな神殿を造ってるみたい。



列柱室の柱も見事だし、至聖所のレリーフも見事なんだけれども、このエドフ神殿で、妙に印象が強烈だったのが、至聖所をとりかこむ回廊部分。

この回廊も、かなりの高さがあるのだけれど(人が小さく写っているんだけど、わかる?)、高さがあるだけでなく、びっしりとレリーフがあって、不思議な雰囲気。

このレリーフには、ホルス神が父オシリス神を殺したセト神と戦っているところを描いているものがいくつもある。いわば、敵討ちですな。

しかし、このセト神、わけのわからない動物の形をしている。

セト神には、色んな動物の要素が加えられていって、最後にはわけのわからない架空の動物のようになってしまったらしい。

なんか、最後の方はホルス神に槍で刺されてるんだけど、豚みたいなわけわかんない姿になってます、セト神。

ここでも見学時間はコンボイの関係で1時間ちょっと。正直、これだけ大きな神殿を1時間で見ろというのはしんどい。ガイドさんの説明聞きながら移動するだけで1時間はかかる。じっくりと見ている暇がないのが辛い。

エジプト政府がテロ対策で努力しているのは分かるし、観光客の安全第一を考えてくれているのはいいんだけれど、もう少しゆっくり見学できるようにコンボイの時間を考えてもらえないかなあ。



ルクソール

エドフを出たのはお昼ちょっとすぎ。バスは一路、古都テーベ、現在のルクソールに向かう。
ついたのは、2時20分ころ・・・2時間ちょっとかかったことになる。遅いお昼を食べて、しばしホテルで休息してから、ルクソール神殿と博物館を見学する予定。よく考えると、今日の行程はかなり欲張りだね。


ルクソール神殿

まずは、街中、ホテルからも近いルクソール神殿へ。
このルクソール神殿は、明日見る予定のカルナック神殿の副神殿なのだそうだ。
でも、副神殿といっても、かなり立派。
ルクソール(テーベ)の神であったアメン神に捧げられた神殿で、毎年、ナイル川の増水期に、アメン神と妻であるムト女神の結婚のお祭りが行われていた。


まず、入口の塔門の前には、ラメセス2世像と、オベリスクが1つ立っている。

このオベリスク、もともとは2本あったものの、1本をフランスにあげてしまったのである。あげたというか、正確には時計とシャンデリアかなんかと交換したんだそうである。
フランスにあげたオベリスクは、今でもフランスのコンコルド広場を飾っているけれど、フランスからもらった時計の方は、もう、とっくに壊れているそうである。
なんで、そんな交換をしたんですかね。一言で言えば、騙された、と言うのか(苦笑)。



塔門から神殿とは反対方向に、スフィンクス参道と呼ばれるスフィンクスがずらりと左右に並んだ参道がある。

この参道、ルクソール神殿とカルナック神殿を結ぶもので、かっては延々と3キロにわたって続いていたらしい。


スフィンクスのしっぽというのは、これを見ると上に上がってるんですな(笑)。






塔門を抜けると「ラムセス2世の中庭」と呼ばれるラムセス2世の立像がたくさんある空間に出る。

ラムセス2世、本当に、自分の像を建てるのが好きである。

このラムセス2世の立像の陰にも、愛妃ネフェルタリの像が彫られていて、本当に仲がよかったんですねえ、ネフェルタリにぞっこんだったんですねえ、とか思うんだけど、このラメセス2世はネフェルタリの他にもたくさん妻がいて、生まれた子供は全部で100人を越えるとか聞くと、ううむ、なのです。
まあ、ファラオというのは凄いんですね。


更に進むと、今度はアメンホテプ3世の中庭と呼ばれる場所に出る。

アメンホテプ3世というのは紀元前1400年ころのファラオで、当時、エジプトは繁栄の絶頂期にあったらしい。

ラメセス2世は、このアメンホテプ3世から100年以上後のファラオである。

さっきのラメセス2世の中庭と、ここアメンホテプ3世の中庭の柱を比べると、時代の違いが感じられますね。
こちらの柱は、パピルスを束ねた姿を表しているのだそうな。
この神殿、壁にはアメン神のお祭りのレリーフが色々と彫られていたり、奥の方にはアレキサンダー大王が捧げ物をした部屋などもあって、かなり立派。
ということで、一応、アルバムを作ってみました。ここと重なる写真も多いけど・・・
興味のある方はどうぞ             ルクソール神殿のアルバムに行く

それにしても、こんな立派な神殿が副神殿だというのだから、明日行くカルナック神殿は、さぞ凄いのだろうなあ、と今から楽しみ♪


ルクソール博物館

本日最後はルクソール博物館。この博物館も凄い。昨日のヌビア博物館も現代的な建物だったけど、ここも負けず劣らず現代的な建物で、しかも、内部の収蔵品が凄いすごい。

左下はアメンホテプ3世の頭像。ルクソール神殿でパピルスを束ねた形の柱を建てた王様。エジプト繁栄期の王だからか、なんとなく温和な顔に見えたりして・・。

右下は、ツタンカーメンの墓から出土したハトホル女神の像。ハトホル女神が牝牛の姿で表されていて、写真では分かりにくいけど、涙を流しているのです。ツタンカーメン王の死を悼んで涙を流してるんだって。素敵です。




左下は将軍の像。小さな立像なんだけれど、髪といい、飾りといい、細かな彫りが見事。ライオンの頭を持つ勝利の女神の杖を持っている。
右下は女神像。顔がとても穏やかで、なんともいえない優しげな表情をしている。

他にも、この博物館にはトトメス3世の像とか、アマルナ時代のアクエンアテン王の像とか、書記の像・・・ともかくたくさんの素晴らしいものが展示されている。必見ポイントですね。




かくして、エジプト4日目の観光もお終い。エジプトやっぱり凄いとつくづく思うのであった。
紀元前にこんな凄い文明を築いたなんて、ほんと凄いよねえ。やっぱり、一度は見ないと駄目だな、エジプト。

明日は、1日、ルクソール観光。カルナック神殿や王家の谷などを見て廻る予定。

ああ、これで、ホテルのお湯がきちんと出れば・・・・最高なんですけどね。4つ星でも、こんなもんか。さすがエジプト・・・。



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