5日目・ルクソール


今日は1日、ルクソールの観光。ホテルや昨日見たルクソール神殿はナイル川の東側にあるのだけれど、今日はまず、西側のルクソール西岸から観光開始。
昔は橋がなくて大変だったらしいけれど、今は郊外に橋ができているので、バスでそのまま移動できる。
最初は王家の谷に行く予定。橋を越えてしばらく走ると、周囲が荒涼とした風景に変わってくる。で、あれが、ツタンカーメンの墓を発見したハワード・カーターの家です、というのを車窓から眺め、更に、その隣が吉村作治先生の家です、というのまで教えてもらって、更に、ちょっと走ると、もう王家の谷。市内からは45分くらいだったかな。


王家の谷


駐車場からは、こんなのに乗って移動します。

すっかり観光地ですね。
というか、さすが世界的観光地ですね。
色んな言葉が今日も飛び交っております。
まだ9時前ですが、皆さん、気合が入ってます。
これに乗って、緩やかな坂道を登っていくと王家の谷。

王家の谷は、言わずと知れた歴代ファラオの墓が集まっているところ。

時代的にはピラミッド時代から1000年くらいたった、紀元前1500年ころからの王達の墓が集まっている。



王家の谷は、こんな感じ。

荒涼としたところに、ところどころ入口が作られていて、そこが公開されている王墓。

全部で60くらいの王墓があるらしいんだけど、見ることができるのは十数個らしい。

入場券を買うと、そのなかから3箇所好きなところを選んで見ていいことになっている。
ただ、ツタンカーメンのお墓に入るには特別入場券が別に必要。

で、こちらが、特別入場券が必要なツタンカーメンの墓の入口。結構、警備は厳重。
カメラは厳禁で、入口で没収されてしまいます(涙)。

そして、期待に胸を膨らませて入るとですね・・・
へ、これで終わり??
というくらい小さなお墓。
通路を抜けると前室とよばれる空間があって、そこから王の棺が置いてある玄室を見下ろして、それでおしまい。
玄室には、オシリス神の姿の王や後継者である神官アイ(豹皮の服を着ている)などや、マントヒヒ・スカラベが描かれてますが、ほんと、それだけ。
他には小さな部屋が2つあるだけ(覗くことしかできないけど、何もない様子)。
なんか、あまりにあっけなくて、拍子抜け。王の棺は本物らしいけどね(・・でも、近くからは見れないけどね)。

しかし、この後見た他のお墓は凄かった〜〜。
私たちは、ラメセス3世王墓、ラメセス6世王墓、ラメセス4世王墓を見たんだけど、凄いすごい。どこもツタンカーメンの墓とは比べ物にならないほど広くて、立派で。
全てカメラ厳禁なのが悔しいけど、逆に撮影OKだったら、興奮して写真とりまくって、おそらく何時間たっても出て来れないんじゃないかなあ。

特に、ラメセス6世王墓は王家の谷でも一番人気というか、長蛇の列。
写真が全くないのは寂しいので、入口の説明板の白黒写真を・・・。

写真の右側に女の人の顔が見えるでしょう?
これはヌト女神といってエジプトの天空の女神。手と足を大地につけていて、彼女の体が天空というわけ。彼女の体の中を太陽が進行するといわれていて、右の写真の下の方は女神の口から太陽が入り、体の中を太陽が進行する様子が、上の方は女神の体の中に星が進行している様子が描かれてます。
この壁画、深い藍色を背景に、金色を使って描かれていて、凄い綺麗〜〜。

もちろん壁画はこれだけじゃなくて、色鮮やかな壁画がたくさん描かれていて・・・ここだけで30分以上はかかるんじゃないかなあ。

ということで、最初のツタンカーメンの墓ではがっかりしたものの、結果的に大興奮の王家の谷。
気がつけば、あっという間に2時間以上が経過。


ハトシェプスト女王葬祭殿

お次は、王家の谷とは山を挟んで反対側にあるハトシェプスト女王葬祭殿。

断崖を背にした3階建てのこの神殿は、遠くからは現代建築のようにも見える。
これが紀元前1500年ころのものだというから、本当に古代エジプトは凄いですね。

ハトシェプスト女王というのは、夫だったファラオが亡くなってから、時期国王のトトメス3世が幼かったことを理由に自らファラオになってしまったという女性。
しかも、ファラオの間は男装して、あごひげまで付けていたのだそうな。
でも、政治は徹底的な平和主義で、貿易で国を豊かにしたというから、きっと彼女には彼女の信念があったのだろう。
もっとも、トトメス3世はファラオになったとたんに、彼女の像を全て削り取って、戦争をしまくったというから、両者の確執はかなりのものだったんでしょうね。トトメス3世が自分の産んだ子だったら、きっと違ってたんだろうけれど。


この神殿は、2階テラスのハトホル女神礼拝所、アヌビス神礼拝所などに、美しいレリーフ・壁画が残っている。

神々の姿や、女王が行った交易を描いた壁画など・・・どれも、色が鮮やかで、とても美しい。


右はアヌビス神礼拝所の天井部分。

青い空と、金色の星が天井に描かれている。

象形文字も色鮮やか。

あまりに綺麗なので、別に遺跡のアルバムを作ってみました。
写真は下手だけど、素材はいいので、興味のある方はどうぞ。
                      ハトシェプスト女王葬祭殿のアルバムに行く

王家の谷・ハトシェプスト女王葬祭殿と見た段階で、もう、かなり満腹になっているのだけれど、今日は、まだまだ、御馳走が続くのである。


ラメセス3世葬祭殿

ハトシェプスト女王葬祭殿からバスで10分ほどのところにラメセス3世葬祭殿はある。

実は、ここは事前に大した知識もなく、ガイドブックにもあまり詳しく書いてないところだったので、期待してなかった。
だけど、行ってみたら、色彩の鮮やかさ、レリーフの彫りの深さにびっくり。

もうちょっと知られてもいい場所なんじゃないかな。それとも、単に私が無知だっただけなんだろうか。

左は第一塔門。この奥には、第二塔門、列柱室、至聖所と続いている。

色彩の鮮やかさは、下の写真を見てもらえれば分かってもらえると思う。
特に、第二塔門を抜けた第二中庭の列柱(右下)付近は、柱も、壁も、天井も、極めて鮮やかな色彩が残っていて、とても綺麗だ。


ということで、このラメセス3世葬祭殿についても、遺跡のアルバムを別に作りました。
興味のある方はどうぞ。色がともかく綺麗です。
                         ラメセス3世葬祭殿のアルバムを見る

・・・今日、2つめのアルバムである。これから、真打ともいえるカルナック神殿が残っているのに、一体、どうなることやら。



メムノンの巨像

ルクソール西岸最後の観光は、メムノンの巨像。
足元にいる人が、こんなに小さく見えるほど大きい。

メムノンというのはトロイ戦争でアキレウスに討たれた英雄で、母は暁の女神だった。かって、この像は朝になると人の泣き声のような音がした。それが討たれたメムノンが母に悲しい挨拶をしているのだと噂されるようになり、メムノンの巨像と呼ばれるようになったとのこと。

本来は、ここはアメンホテプ3世の葬祭殿の入口で、この像はアメンホテプ3世の像だったのだけど、地震で像にひびが入り、風が吹くと音がしたらしい。修理されてからは泣かなくなってしまっている。それにしても、アメンホテプ3世の葬祭殿、見事なほどに何も残っていないなあ。



カルナック神殿

遅い昼食の後はルクソール東岸に戻り、エジプトで最も大きな・・というか世界最大級の神殿であるカルナック神殿。
もともとはアメン神というテーベ(現ルクソール)の地方神を祀る小さな神殿だったのが、テーベ候が上下エジプトを支配するに従い、アメン神もアメン・ラーというエジプトの最高神へと変わっていき、その結果、神殿もエジプト最高神を祀るものとして歴代のファラオが寄進を繰り返したという・・・なんというか、いかにも凄そうな神殿である。

神殿入口には、羊の頭のスフィンクスがずらりと並ぶ。
アメン神というのは、羽根冠をかぶった姿で表わされることが多いけれど、羊の頭をしていることもあるそうで、そのせいか、ここのスフィンクスは頭が羊なのである。

スフィンクス参道の向こうにあるのが第一塔門。

第一塔門を抜けると、広い中庭があり、ツタンカーメンのスフィンクスとかがさりげなく置いてあったりする。
そして、その先が、有名な大列柱室。

ここからも、かすかに巨大な柱が見える・・・かな。




大列柱室に続く、第二塔門。

見えている巨大な列柱は高さが23m。
23mと言われてもピンと来ないが、ともかくでっかい柱である。

でかすぎて、正直、遠くからでないと柱を全部写すことはできないし、人なんか小さくてよくわからないのよ(苦笑)。

このやたらとでかい大列柱室を作ったのは、やっぱりというかラメセス2世。

とはいえ、ラメセス2世が一代で築いたものではなく、彼の祖父にあたるラメセス1世が着工し、父セティ1世、そしてラメセス2世と3代に渡って作られたものらしい。
大きすぎて、写真には撮りにくいけれど、カルナック神殿一番の見ものはここなんだろうなあ。
ともかく、大きさに圧倒されちゃいます。



大列柱室の柱を見上げて撮ってみた・・・。

この柱、大きいだけでなく、レリーフも綺麗。
天井など色も綺麗に残っている。

それにしても、こんな大きな石を、どうやって柱の上に載せたのか・・・。

ナイル殺人事件では、ここで石が落ちてきて死ぬんだって?(読んでないのよ)
落ちてきたら、それはぺしゃんこですよ。
しかし、凄いなあ〜〜。巨大な柱は全部で130本近くあるらしい。

大列柱室を抜けると、ハトシェプスト女王のオベリスク、トトメス1世のオベリスクを通って、至聖所へと続く。
そして、至聖所の裏にもトトメス3世の祝祭殿というように、ともかく歴代ファラオの名前がついた建造物が目白押しで続く・・・。

ファラオになったら、この神殿に何か寄進しないと・・・という感じだったのかなあ。

右の写真は神殿の一番奥にあるトトメス3世祝祭殿から、至聖所・ハトシェプスト女王のオベリスクを撮ったもの。
手前にある古い石は神殿で最も古い建造物の跡らしい。


ということで、見どころが多すぎるので、本日3つめの遺跡のアルバムを作りました。
詳しく見たい方は、どうぞ〜。
                              カルナック神殿のアルバムを見る


カルナック神殿の横には聖なる池というのがあって、今では毎晩、そこで光と音のショーが繰り広げられているらしい。

その池の手前に、こんな、かわいいというべきか、グロいというべきか、わからない大きなスカラベがある。
スカラベ、つまりは糞ころがしである。
これを聖なるものとした古代エジプト人のセンスは、どうしてもよくわからないのだけれど、このスカラベを時計とは反対周りに3回廻ると幸せになれるんだそうです。もちろん、廻りました。まだ、幸せになりたいなあ、とは思っているので。

後ろに見えるのは、トトメス1世のオベリスク(左)とハトシェプスト女王のオベリスク(右)。


自由時間に、神殿の敷地内にあるお店でチャイを飲みました。エジプトのチャイはミントが入っていて、おいしい。

・・・ということで、本日の観光終了。
それにしても、今日は、ほんと、見どころ満載だった。
メジャーな遺跡が目白押し。さすがエジプト、という感じ。マイナーな遺跡巡りが多いわたしだけど、・・・メジャーな観光地というのは、やっぱ凄いなあ。

これで、ホテルでお風呂に入れれば最高なんだけどなあ。まあ、シャワーは使えるからいいか。

明日は再びコンボイで、ルクソール近郊の神殿を見て廻る予定。


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