8日目
旅行も8日目。15日間のツアーなので、今日は折り返し点だ。
今日は、サールナートを見学してから、飛行機でカジュラホに飛び、カジュラホ観光をする予定。幸い、今日は霧が出てないけど、それでも移動を考えると、ちょっと慌ただしい観光になっちゃうんだろうなあ。まあ、ツアーだから仕方ないけど。
サールナート
ホテルからバスで20分でサールナートに着いてしまった。近いんだなあ。
サールナートはお釈迦様が悟りを開いてから最初の説法をした場所。初転法輪の地。
お釈迦様の時代、鹿もたくさんいた。だから鹿野園。今でも鹿がいる小さな動物園もある。
お釈迦様はブッダガヤで悟りを開いてから、かって共に修行をした5人のバラモンを相手に最初の説法をした。そこが、ここサールナート。
この地は、もともとヒンズー教・ジャイナ教の聖地で、だからこそ、5人のバラモンもここに居た訳である。実際、今でもジャイナ教寺院が近くに建っている。
お釈迦様は、その後もここで何回も説法をしたし、そのためにここで暮らしていたこともあったらしい。
お釈迦様が亡くなってから、紀元前3世紀にアショカ王がタルムラジーカ・ストゥーパというお釈迦様の骨を祀るストゥーパとアショカ石柱を建て、その後、グプタ時代(4〜5世紀)にダーメーク・ストゥーパ(左)や多くの僧院が建てられ、イスラムの侵入が始まる12世紀ころまで栄えた。
あの三蔵法師も、ここを訪れたらしい。
とはいえ、今では目立つのはダーメーク・ストゥーパくらいで、他は礎石部分・基礎部分が残っているだけ。
どちらかというと芝生の緑が目立つ公園という印象。
ダーメーク・ストゥーパは近寄ると、レリーフが結構綺麗に残っているけれど・・・。
比較的発掘が進んでいるのがこの部分。
写真の左側の四本の柱と屋根で保護されているのがアショカ王が建てた石柱。下の方が残っていて、当時の文字が彫ってあるのもわかる。
ちょっと信じられないのが、アショカ石柱の裏にある建物。なんとお釈迦様が、ここに住んでいたんだとか。
タイの熱心な仏教徒が金箔を貼り付けていたり、お線香を焚きながらずっとお祈りをしている人なんかがいて、それを見ると本当なのかな、とも思うけど。
すぐそばにある博物館は必見。写真撮影禁止なのが残念だけど、あのアショカ石柱頭のすごい保存状態のいいものが展示されている他、美しい仏像がたくさんある。グプタ朝の時代の初転法輪の像などは、とてもみごと。
できれば、もっとゆっくり見学したかったけど、飛行機が12時20分発予定なので、早々に飛行場へ。
カジュラホ
飛行機は30分遅れで出発。まあ、インドではいいほうなんでしょうね。カジュラホまでは、約40分。着陸直前に、カジュラホの寺院群と思われる建造物が見えた。期待感〜。
いや、期待感〜〜なんていうと、いやらし〜〜とか言われちゃうんでせうか。
カジュラホといえば、良く言えば愛の彫刻・エロチックな彫刻、悪く言えば、もろSEXシーンばっかの彫刻群で有名なところですから・・・。
そう、こんなの→
いや、こんなのは、かなり大人しいほうです。
あんまり凄いのは、さすがに載せられません〜〜。というか、ツアーの一人のカメラは拒絶したそうです(笑)。
シャッターが降りなくなったそうな。
カメラも恥らうカジュラホ〜〜。
カジュラホというのは9世紀から14世紀にこの地で栄えたチャンデラ王朝の首都だった場所。かっては85もの寺院があったとのことだけど、王朝が滅んでからは300年間、森に埋もれ、忘れ去られていたということで、今、残っている寺院は25とか。
カジュラホの寺院に男女の交合像(ミトゥナ像)が多いのは、性の営みが神聖なものとして真剣に考えられていたから。神的意識を獲得するために、性的儀式が行われたとのことで、このミトゥナ像は真面目な信仰の現われでもある。
飛行場から、遺跡のある村までは結構すぐ。泊まるホテルで昼食を取って、観光開始。
カジュラホの寺院は西群・東群・南群とあり、一番規模が大きい西群とジャイナ教寺院の東群を回ることになっている。
西群
西群は公園のように整備されている。芝生の中に10以上の寺院があり、全てヒンズー教寺院。
ラクシュマナ寺院
西群の寺院の見どころのひとつが、ラクシュマナ寺院
10世紀半ばにラクシュマナ王が建立したヴィシュヌ神を祀る寺院で、本殿とその四方に祠堂が配されている。
このラクシュマナ寺院は、本殿を飾るレリーフと、寺院の基壇部分のレリーフに優れたものが多いことで有名。
特に本殿は上の写真のようなミトゥナ像だけでなく、美しい女性の像が多く彫られている。
有名な「恋文を書く女」や「化粧する女」の像も、ここのもの。
ミトゥナ像も、横で象さんが盗み見していたり、結構ユーモラス。
下の写真は本殿を埋め尽くすレリーフ。女性像の身体のしなやかさが凄い・・・。
基壇部分のレリーフには18歳未満禁止にした方がいいようなものがいくつかある。でも、かなりユーモラスで、陰湿なカンジが全くしないのは凄い。現地ガイドさんの説明も爆笑ものだし。それと、色んな国から観光客が来てるけど、おじさんたちが大喜びしている様子が万国共通なのも別の意味で笑える。
カンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院
西群の、もうひとつのハイライトはカンダリーヤ・マハーデーヴァ寺院。
この寺院はシヴァ神が住むヒマラヤのカイラーサ山を模したといわれるもの。
カジュラホが世界遺産に登録されたのは、この寺院の建造美によるところが大きい、と言われているのだそうだ。
この寺院の隣にはマハーデーヴァ寺院という小さな祠堂やシヴァ神の妻であるパールヴァティーを祀るデーヴィー・ジャグダンベ寺院がある。
いわばシヴァ・ファミリーを祀る一画だ。
横から見たカンダリーヤ・マハーデーヴァ寺院
高さは31mもあるそうだ。
インド中世寺院の北方型の最高峰と言われるだけあって、近くで見上げたときの迫力たるや凄い。
山が連なる様子をイメージしたものなんだろうか、入口からいくつもの屋根が連なり、一番奥には巨大な塔となっている。
建造されたのは11世紀半ばとのことだ。チャンデラ王朝の最盛期だったんだろうか。
その外壁はミトゥナ像や美しい女性像で、ぎっしりと埋め尽くされている。 凄い迫力・・・。凄い情念・・・・。でも、どっかユーモラス。
ここで自由時間
カジュラホは結構広い。
ゆっくり見ていたら、時間が足りなくなっちゃった。
右の写真は、ヴィシュヌワータ寺院とナンディー堂。
ここも彫刻が見事だというから見学したかったんだけど、時間切れ。
うう、残念。
これから東群も見るから、自由時間が短いのは仕方ないかもしれないけれど、カジュラホ、かなり見ごたえあります。
できれば、1日ゆっくり見て回りたいな。
レリーフをじっくり見てたら、それくらい時間が要るんじゃないかな。
東群
東群はジャイナ教寺院。現在もジャイナ教徒が信仰していて、入口には宿坊のようなものもある。
こちらは観光客も少なくて、静かな雰囲気
見どころはジャイナ教24人の祖師を祀るパールシュヴァナータ寺院。
建造物としては西群に比べるとずっと小ぶりだけれど、ここもレリーフが素晴らしい。
ここには西群のようなミトゥナ像はない。
でも、ヴィシュヌ神とラクシュミー女神の像では、ヴィシュヌ神が女神の胸を愛撫してるというように(写真左)、西群とは違うエロティシズムがある。
むしろ、こっちの方が色っぽいかも。
化粧する女性像なども見事だ。
ということで、本日の観光おしまい。飛行機での移動が入るから駆け足になるんだろうなあ、ということは予想してたけど、やっぱりカジュラホは、もっとじっくり見たかったぞ。
今日は12月31日、2005年最後の日ということで、ホテルでは年越しのパーティがあって飲み放題、食べ放題。いやあ、かなり飲ませてもらいました。インドで酔っ払って、新年を迎えることになろうとは、来年も思いやられる・・・。
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