観光2日目・ディエン高原


今日は、ちょっと遠出をする。ジャワ中部にあるディエン高原というところまで足を伸ばす。
添乗員さんは言うのであった。「今日は高原ですから、涼しいです。涼しいはずです。」
期待しましょう。

ということで、朝6時半にはホテルを出発。途中、水や食べ物の買出しやトイレ休憩を挟みつつ、バスは高原に登っていくのであった。

なんか、雲が出てきたみたい。
天気の方は大丈夫かなあ。

途中、ウォノソボという街で小さなバスに乗り換える。

このあたりから、段々畑が、やたら目に付くようになってくる。

かなりの高原地帯なのだけど、それこそ山の上まで段々畑が続いていて・・・ちょっとペルーみたいですね。

インドネシアの人たち、かなり勤勉みたい。ちょっと意外。ごめん。





ディエン高原は標高約2000m。「ディエン」というのは、「神々のいる場所」という意味だとか。かっこいいねえ。

この高原には、ボロブドゥールやプランバナンに先立つ7世紀から8世紀のジャワ最古といわれるヒンズー教寺院の遺跡群が残っている。
それを見に行くんだけどね、意外なのは、この高原の遺跡、なんと「湖の中から発見された」ものなのだそうな。
なんでも、ここは昔、火山の噴火で山が吹っ飛び、そこに水が溜まって湖となったところなんだそうな。それを7世紀ころの人々が、湖の水を抜いて都を作り、多くの寺院を作ったのだけれど、11世紀ころには放棄され、以後、再び、水が溜まって湖となっていたんだって。で、今、また、水を抜いているんだそうな。

なんで、わざわざ、湖の水を抜いてまで都にしたんだろう(水って簡単に抜けるのか)? 神聖な土地とされる何かがあったんだろうけど・・・。気になるなあ。





        アルジュナ寺院群

ディエン高原の、アルジュナ寺院群に着いたのは11時30分。
のどかな畑の中に、いくつかの建物が並んでいる。
ここがアルジュナ遺跡群。

途中、寄り道もしたけど、5時間もかかったんだ・・・。

車を降りてみると、確かに、涼しい。

さすが高原。

面白いのは、地面がふかふかしていること。もともと湖だったかららしい。


アルジュナというのはマハーバーラタに出てくる人物名で、ここの遺跡の寺院には全てマハーバーラタの人物から名前が付けられている。






アルジュナ寺院群には現在5つの寺院・祠堂が残っているけれど、どれも非常にシンプル。

名前は、入口から奥に向かって、順に、アルジュナ、スリカンディ、ブンタデォク、セムパドラ、そして、アルジュナの横がセマラー。


装飾なども残ってはいるが、あまり華美ではなく、シンプルと言うか、素朴な印象。


ただ、スリカンディ寺院には、かすかに神のレリーフが残っている。
元々は、シヴァ、ブラフマ、ヴィシュヌが彫られていたらしく、・・これは、ヴィシュヌ。
シヴァは壊れてしまっているが、顔が3つのブラフマも比較的状態がいい。



遺跡としては、正直、ちょっと物足りないけれど、やはり「最古」ということで学術的意味があるんでしょうねえ。





ディエン高原の遺跡は、遺跡の建造物がどうだとかいうより、風景を楽しんだほうがいいのかもしれない。

ちょっと先に博物館があるというので、歩き出したら、向こうから羊さんの群れがやってきた。

なんか、のどかだなあ。
涼しいし、いいなあ。


しかし、写真を撮ってるときに気がついたんだけど
この羊さんたち、
・・・走ってる!!

ひええええ、
なんとかよけられたけどね、駆け抜ける羊の集団と言うのは、なかなかの迫力ですぜ、ああ、こわかった。

羊さんたちは、そのままアルジュナ遺跡群の方に駆け抜けていったのだった・・。
遺跡で放牧するんですかね?





                                    博物館

博物館は、そんなに大きくはないんだけど、結構、置いてあるものはいいものが多い。

左は入口に置いてあったカーラ。
このカーラというのはヒンズーの神なんだけど、インドネシアでは寺院の入口に必ずといっていいほど、飾られている。

魔よけみたいな意味になっているみたい。中部ジャワのカーラには下あごがない。
このカーラが祠堂の入口の上に、下には海の神であるマカラが飾られるのが、いわば定番。
このカーラは結構大きいので、かなりの大きさのある入口を飾っていたことになる。


博物館のすぐそばには、チャンディ・ガトウカチャという保存状態のいい小さな祠堂もある。





       チャンディ・ビーマ

ディエン高原で、外せない遺跡は、たぶん、このチャンディ・ビーマ。

ディエン高原の遺跡の中では、一番新しいものとされている。

この寺院、シヴァ神のための寺院で、形も美しいけど、何より、屋根に特徴がある。

実は、屋根にはシヴァ神の顔が幾つもびっしりと彫り込まれている。

たぶん、シヴァ神の力が四方に届くように、という意味なんだろうな。

そういえば、カンボジアのバイヨンにも顔がたくさんあるね。
あれは観世音菩薩だけど。

今日の遺跡めぐりは、これで、おしまい。
ここで、ついに雨が降ってきた。





                                    シッキダン地熱地帯

遺跡めぐりのあとは、付近のシキダン地熱地帯に移動。

ディエン高原は、もともと、噴火で山が吹っ飛んで出来たというだけあって、火山としての見どころも多いわけ。
ここは、噴煙があがっていて、硫黄くささがただよって・・・いわばインドネシアの大涌谷ですな。

日本だったら、危険ということで柵を作ったり、立ち入り禁止にしたりすると思うのだけど、ここはそんなもん、なんもないです。
というか、いたるところ、足下でも、ボコボコいってます。ガスとか出てるんですかね。

なんか、ボコボコ、ブクブク煮えくり返っている黒い泥湯(?)みたいのを覗き込んだりできます。噴気孔っていうのかな?地元の観光客が「地獄みたいだ〜」と言ってました。そういえば、日本にもなんとか地獄って、よくあるよね。

ここは噴気孔の位置がしょっちゅう変わるんだそうで、つまり、足元のぼこぼこからいきなり噴煙が吹き上がる危険性もあるんですね。コワイコワイ。面白いことは面白いけど、それこそ自己責任での観光というやつでしょう。





                                         シッキダン火口湖


付近には、湖もあります。

天気がよければ、エメラルド色の湖面が見られるというんですが、雨がちらつく天気のせいか、いまひとつ。

でも、ごらんの通り、鏡のような湖面です。

湖の対岸には洞窟があって、瞑想のために昔から利用されてきたとか。

湖のまわりを散策できるようになってるんだけど、雨がちょっと強くなってきたので、早めに引き上げることに。

お天気がよければ、この高原、ハイキングにいいんだろうねえ。
火山ならではの見どころも多いし。


ということで、本日の観光はお終い。高原でうろうろしたのは2・3時間かな。ウォノソボの街に戻り、遅いお昼を食べてから、紅茶を買ったり、ちょっと寄り道。
街には、ドラゴンボールのゴクウのでっかい看板がありました。ゲームセンターらしい。そんなに大きな街ではないんだけど、ゲームというと、ゴクウなんですかね?写真撮り損なったのが残念。

ジョグジャカルタのホテルに戻ったのが夜の7時ちょっと前。明日は、いよいよ、ボロブドゥール。お天気は大丈夫かな。



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