4日目・ソロ周辺

今日からは、東部ジャワの遺跡群巡りのはじまりはじまり〜〜である。といっても、あんまり資料ないんですけどね。なんか、面白そうな気はするんだけど、もしかしたら、単に、インドネシアの田舎巡りなのかもしれない。
ともかく、これからお勉強をしながらの遺跡めぐりである。今日は、ソロ市内を簡単に観光してから、ソロ近郊の遺跡に行く予定。


ソロの朝市

ソロというのはジョグジャカルタから車で東に1時間半ほど行ったところにある街で、18世紀以降、イスラム教国の王宮があったところ・・・らしい。ちなみに、有名なジャワ原人は、この街に近い場所から発見されていて、サンギラン初期人類遺跡として世界遺産になっている。日本人観光客は、わたしたち以外に見かけないけど、昨日から泊まっているホテルはジョグジャカルタほどではないまでも、かなり近代的で快適。
予定にはなかったけど、添乗員さんの提案で、早起きしてソロで一番大きい朝市を見ることとなった。

朝市といっても、巨大なスーパーのような感じですな。色んなお店が開いてます。右は朝8時ころの風景。ここは空いてたんで写真が撮れたんだけど、大混雑で移動するだけでも大変なところもあった。

色んなものがあったよ。
珍しいものでは、カエルちゃん。食用にするんですな。いや、日本でも食べる人はいるけどさ・・。
皮をむかれたカエルちゃんが並んでいるところは、あんまし写真に撮りたくありませんが。

あとは、青い卵。これはアヒルさんの卵らしい。
アヒルは肉も卵も食べるんだって。え〜〜って言ったら、北京ダッグは日本人も食べるでしょうと言われた。あ、そうか。確かに〜〜。

他にも鰻とか・・・華僑が食べる豚足とか・・。
なによりも、野菜が、みんなでかい。





それにしても、あんまりイスラム圏という感じがしませんな・・・。

そもそも、スカーフしている女性自体が少ないし、何よりも、女性が店番をしていることが多い。

中近東じゃ、女性が接客業をするなんてありえないけど・・。

インドネシアの女性は、外に出て働いている人が多い。
市場の中ももちろん、外でも、荷物運びをしてたり・・・。
写真の女性の背中に布がかかってますが、この布で荷物を背負うんですよ。

女性の向こうにいっぱい停まっているのはベジャ。
いわゆる輪タク。

三輪車で、前が座席になってて客が座り、後ろでこぎます。

ソロのあたりでは、まだまだ健在。





マンクヌガラン宮殿
次に行ったのが、マンクヌガラン宮殿。

開放的なジャワ様式の王宮だけど、植民地支配をしていたオランダの力を借りて18世紀に建設されたものらしい。

内部にはヒンズー教の神様が祭られていて、イスラム教と両立しているところが不思議。
博物館もあって、結構、面白いものが展示されてる。

変わってるのは、この王宮。いまでも、王様の末裔が住んでいること。
王宮の一画には、王族が経営しているお土産物屋さんまである。





アンティック市場

マンクヌガラン王宮のすぐそばに、アンティック市場といわれる一帯がある。

アンティックといわれるものやら、アンティックといいはるものとかが売っている。

なかにはまれに掘り出し物もあるらしいけど(古いバティックとか)、むしろ、笑える怪しげなものを見て廻るのが面白い。実際、本物のアンティックなら持ち出せるのか疑問でもある。

で、色々面白いものがあったんだけど、どうしても、写真を選ぶとなると右のになってしまう・・・(笑)。
ねこがお皿持ってる置物とかがあって、普段のわたしなら、そちらをUPするんだけどね、右のが印象強すぎ(笑)。
なんなんだ、これ。
角があるのよ。

まあ、買物好きにはたまらん場所だろうけど。



10時半ころ、ソロ市内の観光を終えて、郊外のラウ山麓の遺跡めぐりに出発。今日見学する2つの遺跡は15世紀にイスラムに追われたヒンズー教徒が作った遺跡である。ジャワでは西からイスラムが入ってきて、ヒンズー教徒(マジャパイト王朝)は次第に東に追い詰められたんだそうで、16世紀には、ついにジャワは全てイスラム圏となり、ヒンズーの王族の一部は海を越えて東のバリ島へと逃げたんだそうな。

それにしても、ラウ山に登るにしたがって、天気が悪くなってきているんだけど、大丈夫かなあ・・・・・と言ってたら、降ってきました。なんか、山に登ると雨が降るねえ、今回のツアー。





                   チャンディ・チュト(チャンディ・セト)


バスは山をどんどん登っていく。

まずは、この地域で今でも精霊信仰の総本山となっているチャンディ・チュト(チャンディ・セト)を見ることになったんだけど、結構な山の中ですなあ。

車はここまで、と言われて駐車場で降りると、凄い坂道・・・。いやあ、こりゃ車じゃ登るの無理だね、と言いながら坂道を登ると、階段があって・・その途中で、なんか変なのがお出迎え(左)。

男女像なんですが、あまりにボロブドゥールやプランバナンとは違いますな。違いすぎますな。
なんんつうか、ポリネシア風というか、ちょっと明日香の猿石なんかにも似た感じ?

ボロブドゥールやプランバナンは8世紀から10世紀にかけてのもので、ここは15世紀というんだから、ずっと時代は下っているんだけど、むしろ拙くなっているような?
素朴ともいうけど、うん。




割れ門という塔を縦に割ったような門を通ると、ますます不思議空間。

この寺院、一番奥の本殿に向かって、三層のテラス式になっているんだけど、なんか、いきなり変わったものが地面に・・・。

参道に沿って奇妙な形に石が組まれてる・・・。

写真、手前から、リンガ、
次の三角形の上には、カエルやら鯰やらが彫られている。
その奥には、小さな円形の太陽のシンボル。
そして、一番奥が、亀。
亀は頭を西にしていて、なんか亀の下の石組みは羽根を広げたようにも見えるけど、、。
なんなんでしょ、これ。

次のテラスに上がると左右に木造のプンドポ(行事を行う場所)がある。なんか、日本の山寺か神社みたいな雰囲気も・・・。





更に上には、小さな祠堂があって、リンガや人物が祀られ、その奥に本殿がある。
本殿は、マヤのピラミッドを小さくシンプルにしたようなもので、昔は頂上に木造の建造物があったらしい。

この本殿を拝めば、自然と山の頂上を拝むことになる。ん。日本の神社にも、そういうの多くない?

雨が霧に変わってきた。
水墨画みたいな神秘的な風景になった。
この地に霊的なものを感じるのは、ジャワの人だけじゃあないだろう。

日本でも、霊山とか言われそうな場所だ・・・。

この写真、日本の山奥の神社とか言ったら、引っかかる人いるんじゃないか?



う〜〜ん。なんか、昨日までとは違う国の遺跡めぐりをしてるみたいだ。それでいて、どこか、日本にいるみたいな妙な感覚。
リンガとか、ヒンズー教寺院らしいものは確かにあるけど、それ以外の精霊信仰って、日本の八百万の神とかと変わらないアニミズムなんだろうし・・・。
山岳信仰なんて、日本と同じような感じだしさ。

などと霧の中で考えながら、お弁当を食べ、次は、同じくラウ山麓にあるチャンディ・スクーへ移動である。雨の中、バスでがたがた40分ほど揺られてチャンディー・スクーへ。





                      チャンディ・スクー
チャンディ・スクーに着いたころ、雨がようやく上がった。

ここは、さっきのチャンディ・チュトと違い、公園として整備されている。

入口には、山門も残っている。この山門、「人間を食べる怪物の門」というらしい。よくみると、怪物のレリーフが残っている。

で、この山門の内部にリンガと女性器の結合を示したレリーフがあり、そのことから「エロチック寺院」とも呼ばれているそうな。ガイドさんの話では、地元の人にとっては、「あ、あのエッチな寺院ね、うふふ」という感じの存在らしい(汗)。

ヒンズー教寺院って、イスラムの人にとっては、そんな存在なんだろうなあ。

この山門に1437年を示すレリーフがあることから、15世紀に作られた寺院といわれている。




ここも、チャンディ・チュトと同じように、三層のテラス式になっていて、徐々に登っていく形になっている。





一層目と二層目には、特になんにもないんだけど、三層目まで登ると、本殿や、多くの彫刻が目に飛び込んでくる。
この本殿、「マヤのピラミッドに似ている」とよく言われるらしい。
確かに・・。
ただ、正面の階段は人一人が登るのがやっとの広さで、ここらへんはマヤとは違いますね。祭事の方法が違ったんだろうね。

それに、何よりも、かっては頂上部分に2mもの巨大なリンガがあったという話しもある。
そんなのがあったら、随分印象が変わるんじゃないか。
ちょっと想像してみれば・・・ね・・・。



それにしても、この寺院も面白いものが多い。
まずは、本殿の前の亀(左下)。写真だと2匹しか写りませんでしたが、実は3匹おります。
チャンディ・チュトにも亀がおりましたが、なんなんでしょう。ヒンズー教では神が不老不死の薬を作るための乳海攪拌を行ったとき、亀がマンダラ山を支えたという神話があるので、その関係ではないかとの説もあるみたいですが。
本殿の前の石のテラスには馬蹄型のレリーフがあって(右下)、こちらはマハーバーラタに出てくるビーマ王子とバラタ・グル。





他にも、ガルーダ像とか見どころは多いんだけど

でも、なんといっても、気になるのは、レリーフなどに見る人物像の変化。
境内にはかって塀を飾っていたと思われるレリーフが、いっぱい置かれているんだけど・・・そのレリーフが・・・。

右の写真を見てもらいたいんだけど、3頭身ですよ。
おまけに、奇妙にデフォルメされてて、なんかテレビゲームの中で動いていそうな人物達でしょう?
レリーフの人物達、ほとんどが、こんな感じ。

他にもガネーシャのレリーフなんかもあるんだけど、ちょっと見ると驚くほどのユニークさ。

ボロブドゥールやプランバナンの優美さはどうした!と思うけど、なんでも、これはいわば、ジャワの「国風文化」の開花ということらしい。ジャワ独自の感性が開花というか・・。

むうう。




なんか、意外と、ジャワ東部の遺跡めぐりは奥が深そうな雰囲気。
考えてみれば16世紀以降、ジャワの人たちは偶像崇拝を禁止するイスラム教徒だったのに、これだけヒンズー教の寺院を保護しているというのも、凄いことだ。
インドネシアの人たちの国民性というのかな。

コーヒーのプランテーションを見ながら、1時間半ほどでソロのホテルに。
明日は東部ジャワのマランという街に向けての大移動。
地球の歩き方にも載っていない場所を巡ることになる。


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