4日目・ヤズドとパサルガダエ

今日はヤズドを出て、シラーズに移動する。途中でペルセポリスよりも古い、キュロス大王が建設したパサルガダエを見学する予定.。移動距離は440キロ。

本来ならば、朝、すぐに移動開始の予定だったのだけれど、急遽、ヤズド旧市街の散策が加わった。昨日の車窓からの風景が素敵だったから、要望が多かったんだろう。あ。そういえば、わたしも言ってたかも。
                                        ヤズド旧市街


ヤズドの街は、土の色一色。

旧市街の道は狭く、バイクで移動する人はたまに見かけるものの、車は入ってこられないところが多い。

家のドアには、男用・女用別々のドアノッカーがついている。
これは、イスラム女性のため。
イスラムの女性も家の中ではチャドルを脱いでくつろいでいるのだが、家族以外の男が客として不意に入ってくると、チャドルを脱いだ姿をさらしてしまうことになる。
そんなことにならないように、音で客の男女別を知らせるという工夫らしい。


ときどき、黒いチャドルに身を包んだ女性が歩いている。

茶色の街に黒いチャドルというのは、なかなか美しい風景なのだけれど、明らかに写真を撮られるのを嫌っている様子ので、さすがに、なかなか写せない。



路地を歩いていくと、ところどころに、風取りの塔があるのに気がつく。

ここは下に水を貯めていて、水を冷やすために、風取りの塔がなんと4つもついていた。

すかし模様の向こうに、水を貯めるドームがある。

すかし模様も素敵だ。
これもイラン式のレンガと泥で作られている。

モスクのタイルの繊細さといい、イランの人たちは繊細な作業が得意みたいだ。

風取りの塔から突き出た棒は、泥壁を塗りなおす作業のため。
数年おきに、家や塔の泥壁は塗りなおしているのだそうだ。


歩いていると、塗りなおしの作業をしている現場にも出くわした。
泥に藁のようなものを混ぜて・・・ほんとに泥壁である。



民家の屋根に上らせてもらった。
泥色一色の街。金曜モスクが遠くに見える。色があるのはモスクのタイルだけ。

とても幻想的だけど、同時に、地震のときはどうなるのか、という不安もわきあがる。
高層ビルが全くないのは、世界遺産の指定を狙っているのでは?でも、地震で人名が奪われたら・・・ねえ?

上から見ると、この街、屋根づたいに移動できるのが分かる。民家は中庭を取り囲む形で互いに壁を接しているので、猫だったら、どこまでも行けるだろう。


旧市街の散策を終えて、バスに戻るときにも、何匹もの猫が上を歩いているのが見えた。

猫にとっては車は来ないし、天国だろう。


右は声をかけたら、途中まで降りてきてくれた猫ちゃん。

かまってくれた、唯一の猫ちゃん。

後の猫には、みんな逃げられた・・・。イランの猫は冷たいぜ。



ということで、ヤズド旧市街散策の後は、一挙に440キロの移動開始である。
街を出て、少しいくと峠越え。なんと、雪の峠越えである。峠は2500m。周囲の山は3000〜4000はあるらしい。雪が積もり、周囲は真っ白・・・写真に撮りたかったんですがね。イランって、ほんと高原というか山が多い。

峠越えの後は、いつの間にか高速道路に乗っての移動。産油国だから、イランも道はいいなあ。それにしても、今日は、特に救援物資を運ぶトラックを見かける。観光してて、申し訳ないと思ってしまうのであった。

パサルガダエに着いたのは、午後3時ころだった。

       パサルガダエ
パサルガダエはシラーズから130キロ、ということだから、ヤズドからは310キロということか。

パサルガダエはアケメネス朝ペルシャを築いたキュロス大王が開いた都。紀元前546年から建設が始まったということなので、ペルセポリスより30年ちょっと古いということになる。



まずは、キュロス大王のお墓から見学。


足場が組んである・・・。

足場を登れるのかと思ったら、要は修復中ということらしい。

それにしても、大王の墓にしてはシンプルである。
小さいながら、重厚な作りといえないこともないが。



で、他の遺跡はどこよ、と思えば、なんとバスで移動するのである。つまりは、このパサルガダエという遺跡は広いところに点在しているのだそうな。

が、はっきりいって、何もないに等しい。

正確には、まだ発掘調査などが進んでいない、ということだと思うけど。
右の写真の左端に小さく写っているのは拝火教神殿跡ではないかと言われているところなのだけど、どう見ても、右側の丘みたいになっているところも何かの建造物の跡のように見える・・・。でも、ここはまだ分からないということで・・・。

とはいえ、面白いレリーフなどは残っているし、なんと帰国後は世界遺産になってしまったらしい。確かに、その歴史を考えれば十分その資格はあると思うけど、でも、はっきりいって、行ったときには、つわものどものゆめのあと、とか思ってましたが。

で、世界遺産になった記念にアルバムを作りました。興味のある方はどうぞ。
建造物は残ってませんが、レリーフなどは面白いかも。
                               パサルガダエのアルバムを見る

広いパサルガダエをバスで何箇所も移動して、見学が終わったのは2時間弱ほどたってから。いつのまにか夕闇が迫ってきてる。

あとは、130キロを移動してシラーズの街へ。



右はシラーズへの途中で立ち寄った小さな町の商店街。

黄色いボトルは甘いジュースらしい。
お菓子とかを売っているお店が多い。
お酒を飲まないから、甘いものが好きなんでしょうか。

なんとなく、懐かしいような雰囲気が漂ってます。




ということで、シラーズの街についたのは夜の8時近くだった。明日は、いよいよペルセポリスである。


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