リビア考古紀行
今度、どこ行くのと聞かれて、リビアと答える。あ、カダフィさんの国ね。そんなとこ行って大丈夫なの、あ、そっか、最近、カダフィさん、アメリカにひよったんだっけ・・・普通、ここまでしか会話が続かない。で、どこにあったっけ? エジプトの隣だよ・・・というとこまで話が続くのは、ごく稀である。そんなもんなのかね、一般のリビアに対する意識。

が、しかしっ
カダフィさんの国は遺跡好きにとっては、「地中海を背景にしたローマ遺跡が見られる!」ということで有名(たぶん)な国なのである。
リビアは地中海を挟んで、ちょうどイタリアとギリシャに向かい合う形に位置する国で渡って来易かったから、ローマ遺跡やギリシャ遺跡がごろごろ残ってる(らしい)国なんである。
どちらかというとマイナーな文明の遺跡の方が好きなわたしではあるけど、やっぱり青い地中海を背景にした白いローマ遺跡は見たい。で、何回かツアーに申し込んでは振られ(個人旅行もようやく解禁にはなったらしいけど、まだ、かなり大変らしい)、やっと今回(一応、ベストシーズンと言われる)GWに行けることになったのであった。

とはいえ、心配なことはある。リビアでは酒が飲めないんである。持ち込みとか厳しくて、ホテルで隠れて飲むこともできないんである。未確認ながら、持込がばれると鞭打ちの刑という噂まであるんである。嘘だと思うけど、こわいじゃないか。
ということで、いい子のわたしは酒をシャンプーの器に移し替えるなどという小細工を弄することはせず、きっぱりと旅行中の酒断ちを決意したのであった。

・・・耐えられるか、じぶん。

リビア1日目

リビアは遠い。
羽田から関空に行って、関空からドーハまで約12時間。ドーハで飛行機乗り継いでトリポリまで約6時間。
関空を夕方の6時少し前に飛び立って、トリポリについたのは朝の7時半。中南米に行くのと、あまりかかる時間は変わらないじゃないか。まあ、時差は日本に遅れること7時間で中南米よりは楽だけど。
トリポリ空港は思ったとおり小さい。
いまどき珍しい煙草吸い放題の空港だ。

入国審査も、社会主義国なんで時間がかかるかと心配したものの、こんなんでいいんかい?というあっけなさ。真面目にやってるのは酒の持込のチェックくらいみたいだ。

で、お出迎えのガイドさんと一緒にバスに向かったんだけど、なんと嬉しいことにバスがでっかい。
今回のツアー、参加人数が11人だし、リビアじゃバスには期待できないだろうと思ってたんで、これは嬉しい。一人2座席どころか、一人1列状態である。うひゃひゃ。

空港から、まずは昼食までホテルで休憩ということでホテルに向かう。産油国だけあって道が凄くいい。
道もいいし、バスもいいし、幸先いいなあ。

とはいえ、外の風景は結構閑散としていて、目立つのはカダフィさんの写真や絵ばかり・・・

団地の壁にもでっかいカダフィさんw



30分ほど走ったところで海が見えてきた。
地中海だ
おおお

同時に変な形の建物が見えてきた

こんなの→

ペットボトルを逆さまにしたような・・・
地震が来たら、さぞかし潔く倒れるであろう形の・・・・
なんじゃ、これ
なんでも事務所??らしい
政府のオフィス??

このペットボトルを逆さまにしたみたいな建物は全部で4つか5つあるんだけど、どうやら有名な建物らしく、なんと絵葉書まで売られている。
ひょっとしたら、カダフィさんの趣味か?

だとしたら、カダフィさん、やっぱ変なひと



今回お世話になるホテルは、この変な建物のすぐそばに建っている。
すぐ裏は地中海

バスを降りるとホテルの入口にカダフィさんの写真、ロビーに入ってもカダフィさんの肖像画
観光ポスターよりカダフィさんの肖像画の方が目立ってます。さすがというか、なんだかなあ。

でも、部屋は結構こざっぱりとしていて、少なくとも清潔感はある
さすがに部屋の中にはカダフィさんの写真はないw
ベランダから見た地中海とトリポリ市内はこんな感じ →

さあ、水周りや備品はどうかな
チェックチェック


実は、今回の旅行、しつこいくらいに「備品の質が悪いです。バスタブはあっても栓はないことが多いです。シャンプーとかないです。バスタオルもひどいです。持って来てください」と言われていたんだけど、案外まともじゃん。
確かに、バスタブの栓はないし、シャンプーもない洗面所はがら〜〜んとしているけど、まあ、一応石鹸はあるし、バスタオルもトイレットペーパーも硬いけど使えないことない。
何よりお湯がちゃんと出る 結構まともじゃないの、リビア。



部屋のチェックのあと、ちょっくら休憩をして昼食のレストランへ
海際のレストランで、でっかい魚をいただきました。さすが地中海に臨む港町。
(お醤油かけると、かなりおいちい)

しかし、このレストランで一番の話題をさらったのはこれだっ
← お菓子じゃなくて、謎の飲み物のほう・・・

チャイなんですが

なんか入ってます

なんでせう

一瞬、ニンニクに見えましたが、実はアーモンド

どうやらここらへんのチャイの飲み方らしいんだけど、どう考えても、ばらばらに食べたほうがおいちいです

あ、お菓子の方は普通に甘くておいしかった



昼食後、レストランのそばの魚屋さんを冷やかしながら、再びバスに乗ってトリポリ市内観光に向かう。



マルクス・アウレリウス門


まず向かったのが、ローマ時代のマルクス・アウレリウス門。1世紀ころの地元出身の皇帝マルクス・アウレリウスが建てた門(ベルベル人だったらしい)。

トリポリという街は、紀元前9世紀ころにフェニキア人が作った街で、サプラタやレプティス(後のレプティス・マグナ)とともにトリポリス(「3つの都市」という意味)と呼ばれた歴史のある街なんだそうだ。
ちなみにトリポリの古い名前はオエアといったらしい。
フェニキア人のカルタゴが滅んだ後も、この3つの都市はローマまで引き続き繁栄し、サプラタとレプティス・マグナには世界遺産となった遺跡が残っている。
だけど、トリポリ市内にはほとんど遺跡らしいものは残っていなくて、この門が数少ないローマ時代のものらしい。

昔は海に面していたとのことだけど、今は海沿いの幹線道路からちょっと入ったところにある。
周囲から一段低くなっているのはローマ時代の地面と今の地面の高さが結構あるから。

(後ろの工事中なのはモスク)



この門、四方に通じる四面門なんだけど、近寄って見ると、あんまり保存状態はよくない。
なんでも、いいレリーフはムッソリーニがイタリアに持って行ってしまったんだそうだ。
でも西側には結構、レリーフが綺麗に残っている。
なんでも、左上部がミネルヴァ、右上部がアポロ(それぞれ動物が引く戦車?に乗ってる)、そして下の方に彫られているのは皇帝の家族なんだそうだ。




旧市街散策
トリポリ市内では、この門の他は人民考古学博物館くらいしか見るものはないらしい。博物館は最終日に見学するとのことなので、ガイドさんの後をついてぷらぷらと旧市街を散策する。

旧市街は、細い道が入り組んでいて、ちょっとした迷路みたいになっている。
細い路地の天井部分は女性専用の通路(の底)になっている。昔は女性が男性に姿を見られないように2階部分を歩いていたんだそうだ。

まあ、マグレブにはよくある街並みかもしれないけれど、風情があるといえばありますな。

ここはローマ時代の4つの柱が残っているところ・・・3つしか写せなかったけど、ちゃんと4つある。

ちっちゃい子がかわいい。



と、ぷらぷらしても、結局、特に見るところがあるわけでもなく、結局はお買物というか店を冷やかして回ることになる。
「日本人か」と聞かれて、そうだというと、「ヒロシマ!ナガサキ!」と反応する店のおじさんたちは、かなり人懐っこくて、4mのアナコンダ(の革)を買えとか、ワニのひらきを買えとか言うんだけど、成田に持ち込めませんがな・・・。
やっぱり、リビアのおみやげといえば、これでしょ。




カダフィさんグッズ!
各種あるでよ



そして、大通りに出ると、そこにもカダフィさんのでっかい写真が・・・


37とあるのはカダフィさんの革命37周年だから



ということで、カダフィさん漬けになったリビア1日目なのでした。

明日は世界遺産ガダメスへの大移動

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