リビア3日目

旅行中にカメラが壊れるのは悲しいものだ。一応予備のカメラは常に持って歩いてはいるけれど、最近はデジカメに頼り切っていたので、あんまりフィルムを持って来てはいない。どこかで買い足さないといけないだろうなあ、と悩んでいたら、救世主登場。ツアーの同行者で予備のデジカメを持ってきていた人に貸してもらえることになりました。ありがとうございます。感謝感激雨あられ。私もこれからはデジカメ2台持ち歩くようにしよう・・・。


ガダメス

ということで、3日目の観光スタート。今日見学するガダメスはリビアとチュニジア・アルジェリアの国境近くの砂漠のオアシス。アフリカ内陸部と地中海岸を結ぶ交易ルートの中継点として古くから栄え、「砂漠の真珠」と呼ばれたところらしい。




博物館


まずは博物館でお勉強をする。

この博物館は全部で5棟からなっていて、15〜6世紀の陶器や革に刺繍をした女性の結婚式用のブーツといったものや、民族衣装、なつめやしで作ったドアや椅子・小物等が展示されている民族博物館的な部分と、古代からの歴史を学べるような歴史博物館的な部分がある。

歴史的なものではローマ時代の遺物が目に付くけれど、はっきりいって凄いというレベルのものではない。

ただ、ローマ時代、アフリカ内陸部のガダメスにまでローマ帝国の力が及んでいた、ということが凄いんだと・・・う〜〜ん。言われてみればなるほどである。



ガダメス旧市街


いよいよ、世界遺産であるガダメス旧市街の観光だ。ガダメス旧市街の入口は7箇所あるそうだけれど、私達は博物館に近い入口から入っていく。

トンネルのようになっている通路を抜けると、白い壁がまぶしい。

日干し煉瓦の上に漆喰を塗った白い建物が続く。

ガダメスでは1983年に新市街が作られ、今ではこの旧市街には誰も住んでいないけれど、かっては6000人もの人が暮らしていたそうで、本日のガイドさん(昨日の四輪駆動の運転手さん)もこの旧市街で育ったのだそうだ。

なんでもトァレグ族の中でもベニワジ族とベニワリド族という2つの部族がこの旧市街を住み分けていたのだとか。

この写真の部分は通路に天井がなく青空が見えるけれど、この先を少し進むと、今度は通路の上にも天井が付くので、ぐっと涼しくなる。

ガダメスの民家は互いに接するように建てられていて、男性は下の通路を女性は天井のテラスを通って互いの家を行き来したらしい。テラスでつながっているため、幾つもの建物が一つの建物のように見える。



女性が上のテラスを移動したというのは家族以外の男性に姿を見られてはいけないというイスラムの教えを考慮したものなのだろうけれど、その結果、集合住宅のような形になって天井が付いたとしたならば、強い日差しを遮ることにもなって一石二鳥だったわけだ。
内部は本当に涼しくて、強い日差しが嘘のようだ。地元の人の知恵で風土に合った快適な住居が作られていたことがよくわかる。

1階部分の男性が使った通路部分にはベンチが付いている。このベンチで男の人たちが座って話をしたりしたらしい。
左下の写真だと天井に木が張ってあるのが分かると思うけれど、これが女性用の通路。



通路は色々な場所に通じている。ナツメヤシの菜園に続いている通路(左下)もあれば、広場(右下)・モスクに通じているものもある。
この右下の広場のテラス・ベランダには三角形の穴が並んでいて、これはよく「奴隷市が開かれたときに、ベランダに座らされた奴隷がこの穴から足を出して品定めをされた」と紹介されている。ただ、現地ガイドさんに言わせると「そんなのは嘘」「イタリア人の陰謀(で地元民を悪く言ってるということらしい)」なのだそうで、まあ、確かにいわれて見ると、いくら足が細い人でもちょっとどうかな、と思わないわけでもない。



それにしても、この旧市街、現地ガイドさんがいなかったら、あっという間に迷子になること間違いがない。外部の人が入って来ることを想定していない街並みなんでしょうね。

1時間ほどガイドさんに連れられて散策をしてから、旧市街の中の民家を利用したレストランで昼食となった。ガダメスの旧市街では、この建物の内部も必見。

ドアを入って建物の中に入ると、外部と違って鮮やかな色彩にびっくりする。内部には赤などの原色を使った手描きのデザインがびっしり。これに床の絨毯・壁にかけたタペストリ等でびっしり。おまけに写真にはよく写らなかったけど、金属製のぴかぴかの食器などもかけられている。これって誰が描くの?と聞いたら、基本的にはその家の主婦らしい。中には上手い人がいて手伝ったりもするらしいけど、主婦が自分のイメージで自分の家の中を飾るのだそうだ。




ここでご馳走になったクスクスはおいしかった。
お肉はラクダの肉とのことだったけど、驚くほど癖がなくて柔らかいのにびっくり。

ただ飲み物にビールが欲しいよね。言ってもしょうがないことなんだけどさ、コーラで食事をするというのは、どうも苦手だ。

食後、屋上に登ってもいいよ、と言われたので、登ってみました。

涼しい内部とは違って、暑い!

陽射しがまぶしい!!

白い建物が強い日差しでまぶしくてよく見えないんだけど(写真に撮っても同じだったね)、なんとなく屋根が隣の家と続いているのは分かる。

でもさあ、ここを通って隣の家に行ったりするのって、結構危ないんじゃないのか?・・・とも思う。



そういえば、ちょっとイランのヤスドに似てるね。ヤスドが茶色の街並みなのに比べて、ここはあくまで白い街並みだけど。ヤスドでは猫が上から嬉しそうに見下ろしてたけど、ここも猫が喜びそうな街並みだ。
まあ、暑い日中は猫は外に出てこないんだろうけど。


食事が終わって午後1時。これから、ひたすらトリポリに戻る。
その前に、オアシスの水源である泉に寄ってくれた。

本には「最近枯れてきている」と書いてあったけど、なかなかどうして青い色が印象的な豊かな泉です。
(モデルはまたも我らがツーリストポリス)

この泉、日本の本では「雌馬の泉」という意味の「アイン・エル・フラス」という名前で、7世紀のイスラム軍司令官の馬の名前にちなんでいる、と書いてあるんだれど、現地ガイドさんに言わせると「もっと古くからの名前」で「雌馬」ではなく「牝牛」だとのこと。

本当か?と念を押したら、
「も〜〜」
と言ったから間違いないと思う(笑)。

ということで、楽しい現地ガイドさんとお別れして、一路、トリポリへ。




来るときと全く同じルートで、トイレ休憩の場所まで同じだったので、途中ほとんど爆睡してたんだけど、トイレ休憩でトイレを借りたお店の猫がかわいかったので、おまけ。

日陰で隠れるように寝てたんだけど、見つかってからは次々と客に撫で回され、それでも負けずに寝ていたにゃんこ(笑)。


そうそう、トリポリのホテルに着いたのは夜の8時45分でした。ガダメスから約8時間ですね。
明日からは遺跡三昧の日々となる予定。


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