ペルー5日目・クスコ観光

今日は、1日、世界遺産であるクスコ周辺およびクスコ市内を観光。
まず、クスコ周辺を見学してから、最後にクスコ市内に戻ってくる予定。

ということで、最初に向かったのが、クスコを見下ろす展望台・・というか、でっかいキリスト像が立っているところ。

そこから見下ろしたクスコ市街が左の写真。盆地、というのがわかる。
本来、インカ帝国の首都だったクスコはピューマの形に都市計画がされていたらしい。
しかし、いまは盆地いっぱいに建物が並び、昔の姿を想像するのは困難である。赤い屋根瓦もスペインの影響。

そもそも、インカが滅ぼされたのは1533年。信長が生まれる前の年なんである。日本だって、そのころのもので残っているものといえば、たかがしれてるよね。しかし、日本で信長や秀吉が活躍するころには、既にスペイン支配下に置かれ、その後も長い植民地時代が続いたと思うと・・。

  ケンコー遺跡

クスコ市街からちょっと離れたところにあるのがケンコー遺跡(右)。
といっても、この写真じゃ、なにがなんだか分かりませんな(汗)。

ここはインカの祭礼場だったというところで、巨大な岩でできている。
中は迷路のようになっているし、岩をくり抜いて、ミイラを置く場所が作ってあったりして、インカの皇帝がここで、お祭りをしたらしい。
この巨大な岩の上には、いけにえの血を流した溝もあるそうな。


ミイラを置いたとかいわれる場所を写したのが左の写真。
豪華な衣装や装飾品で飾られたミイラが置いてあったらしい。
ミイラは永遠性を持っていて、大事に大事にされたんである。

この台座みたいのも何も、全て、岩をくり抜いたものであって、
石を組み合わせたものではない。外から運ばれた石は全くないとのこと。
たぶん、この巨大な岩そのものに、何かの意味があったんでしょうね。

そもそも、スペイン征服以前のペルーの人々の信仰は、もともとは多神教で、太陽・月・大地・星等々が拝まれていた。
で、神聖なものを「ワカ」といい、山とか石とか、色んなものが「ワカ」として拝まれていたんだそうな。


ケンコーの遺跡には、でっかい石が飾ってあり、これも「ワカ」。
左の石がそれなんだけど、ここには、昔は何かレリーフが彫られていた。

だけど、レリーフはスペイン人によって削られてしまいました。邪教とか悪魔が彫ってあるという理由らしい。うう。
勘弁してくれキリスト教。

で、今のペルーの人たちは、ほとんどの人がカソリックなんだけど、実際は、未だに、大地の神に豊作を祈ったりして、伝統的な宗教が形を変えて生き残っているとのこと。
ちなみに、インカでは太陽信仰が盛んだったけど、太陽信仰は人気がないとのこと。どうも、太陽信仰は政治利用されていただけらしい。


   タンボ・マチャイ遺跡
次に、向かったのがタンボ・マチャイというインカ皇帝の沐浴場だったとか、水の神殿とか言われるところなのだけど、その入り口にもプカ・プカラという遺跡があり、砦・見張り台の機能を果たしていたらしい。

タンボ・マチャイの遺跡だが、見た目は普通のインカの石組み神殿なんだけど、水が出ている。
だから水の神殿なんだけど、この水が謎なんである。
雨季も乾季も水の量が同じだし(もちろん枯れない)、どこから来た水なのかも分からない。付近の水源になりそうなところとかを調べたものの、未だに不明。
サイフォンの原理で遠くから運んでるんだろうというのが、一応、今の有力説らしいけど、よくわかりません、というのが真相。
しかし、インカには、この未だに分からない謎っていうのが多い。だから面白いんだけど。



  ピサック
遺跡めぐりの後は、ちょっと気分を変えて、付近のピサックという町で市場を散策。
ここは、有数のお土産スポットでもある。もともとは地元の人たちのための肉や野菜なんかが売られていたんだけど、今では観光客目当てのお土産もびっしりなんである。

お土産屋だけでなく、モデルもたくさんいる。

モデル・・地元のおばさんたちが、写真を撮らせてチップをもらうんである。
みんなプロ意識の現われなのか、結構、精一杯おめかしをしており、子供を連れたり、子犬を抱いたり、ともかく、観光客に受けようと必死である。

このおばさんは、赤ん坊と子供で客寄せをしておりました。
子供は眠そうです。

それにしても、おばさん、などと言ってしまったが、たぶん、彼女の年はわたしなんぞよりずっと若いはず。結婚年齢も低いはずだし。
ただ、高地の紫外線がしわを深くしている。
生活だって苦しいはず。インディヘナの所得は未だに低く、モデルのチップは貴重な現金収入なんである。
う〜〜〜ん。
まあ、ここで、ペルーの所得格差にわたしが落ち込んでいても始まらないので、気持ちを切り替えて、市場の散策。


左は各種とうもろこし。色んな種類がある。

このピサックは、とうもろこしの産地で、実は日本にも結構輸出されているそうな。とはいえ、縁日のとうもろこしとは随分違う。
コンビニで、よく酒の肴とかにコーンとかお豆の詰め合わせを売ってるが、その中に入っているドライのジャンボコーン(食べないで残す人も多いと思う)が、ここで作られているとうもろこし。

ペルーの料理だと、よくとうもろこしがつけあわせで出てくるんだけど、一粒一粒が大きくて立派だし、食感はもちもちっとしていて、主食になるんじゃないか、というくらいしっかりしている。
とうもろこしばっかり食べていると、それだけでお腹が一杯になる。う。



市場には、パンを焼いて売っているところもあるし、色々と見所が多い。
で、個人的に素敵だなあ、と思ったのが左の宗教画。

小さくなってしまうので、見にくいとは思うんだけど、かなりかわいい、というかきれいなマリア様や天使様である。だから強引に貼ってみた。
買おうかどうしようか悩んだんだけど、キリスト教徒でもないしね〜。

あと、インカのチェスにも心が動いた。なんと、スペイン軍対インカ軍なんである。インカ頑張れ。

他にも、ここにはアルパカのセーターや銀製品、素焼きのオカリナ、リャマやアルパカの人形(あんまり顔はかわいくない)などなど、お土産がごっそりである。


 サクサイワマン砦


ピサックの買い物等で気分転換をした後は、再び、遺跡めぐり。

今度は有名なサクサイワマン砦である。

クスコの街がピューマの形に都市計画されていたということは前に書いたけど、この要塞はピューマの頭部分に位置していたらしい。
実際、遺跡の端からは、クスコの町並みが、すぐ近くに見える。

で、なにが有名なのよ、というと、まずは、そのでかさである。
この要塞は、3層構造になっている。
人が乗っているので、大体の大きさは分かると思うんだけど、なんと昔は今の倍の20mの高さがあったらしい。
スペイン軍に破壊されて、低くなったものの、これだけでかいのである。

しかも、長さは360m。端から端まで歩くと、結構、時間もかかる。


遺跡がでかいだけではない。使われている石もでかい。

この要塞の一番下の層は、じぐざぐになっているのだが、その出っ張り部分には、特に巨石が使われている。

スペイン軍が来たころ、ここは建築中で、職人もたくさんいたとのこと。失われてしまった技術は戻らない。どうやって、石組みを作ったんでしょうね。鉄器もころもないのに。



そして、クスコに戻る。

サント・ドミンゴ教会

外観からもクスコの石組(太陽神殿)の上に教会が建てられているのが一目瞭然だ。
本にも「度重なる地震でスペインの築いた教会は壊れたがインカの石組はびくともしなかった」と紹介されている(実際は、少しはずれてたりもするが)。

もともと、ここはインカの時代には、太陽・月・星・虹・稲妻などを祭る神殿が中庭を囲んで立ち並び、中庭には黄金のリャマやトウモロコシの像が飾られ、しかも地面には砂金がまかれてあった・・・というスペイン人大興奮の場所だった。

そう、その名もコリカンチャ(黄金の館)といったのである。

もちろん、スペイン人は黄金はごっそり持って行き、文化財なんていう意識はないから溶かしてしまい、神殿は邪教・悪魔の巣窟ということで破壊された。
だから、もうな〜んもないんだろうと思ってたんだが、実は、インカ時代と同じように中庭があり、それを囲んでインカ時代の神殿も結構残っている。
ここの石組みはインカの最高峰というだけあって凄い。ほんとに剃刀はおろか紙も入らないところもある。



とはいえ、いくら凄くても石組だけの神殿を見ていると、スペインが持ち去った黄金の神像などが少しでも残っていれば・・・と、誰もが思うところ。
で、左が最近復元された壁掛けの一部。

当時のスペイン人の記録にしたがって復元したものらしい。
太陽とか星とか色んな模様がついている。

ただ、当時、ペルーに来ていたスペイン人にはインテリがいなかったので(ピサロ自身、字もかけなかった)、記録の内容がいい加減らしい。
実際、この神殿については、みんな黄金が凄いということは書いてあっても、どのような模様が刻まれていたかとかには興味があんまりなかったのか、書いてある内容がばらばらなんだそうだ。
だから、この復元品もどこまで正確かは疑問があるところである。
でも、まあ、コリカンチャ(黄金の館)と呼ばれた当時の雰囲気は出ますね。うん。



で、凄いな凄いなって、思っていると、いきなり現れたのが左のおじさん。

え〜。いきなり出くわすと、ひきます。

どうも写真を撮らせてチップをとるモデルさんらしいんだけど・・・。
ガイドの話では、最近、6月のインティライミというインカ最大のお祭りのポスター撮影があり、そのときの皇帝役のモデルが、そのまま居ついてしまったらしい。

いいのか、皇帝。
こんなところでモデルやってて。

でも、まあ。思わず、撮ってしまう。
観光客の悲しさである。

おじさん、カメラを向けると、なんか、歌のようなものを歌うんだかなんだかしてくれる。
ほんとは偉そうに黙っているほうが、いい絵になるんだけど。




そして、お次は、これも有名な「12角の石」。

・・・。

・・・・・・・・・。

なんなんだあああああ。

ううう。白く塗られてます。
ペンキ塗りたて、というわけではないのでしょうが、触るな、とメモも付いております。

真相は不明なのですが、ガイド君がいうには、おそらく保護するための樹脂かなにかを塗ってあるんでしょう(汗)ということでした。
きっとそうでせう。
まさか、ず〜〜〜っと、このまんまではないんでせう。

でも、あんまりだ。
これが、その後、どうなったのか。真相が知りたい。

ということで、最後に大きく落ち込みながら、クスコ観光は終わり。

明日は、ティティカカ湖に向けて、ひたすら高度を上げていく日である。



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