ペルー8日目・ナスカ地上絵

ついに、今回のツアー最終日である。
最後の観光は、ナスカ地上絵の遊覧飛行。

朝、リマの街では、めったに降らない雨が降っている。インカの涙といわれるこの時期だけに降る霧雨である。地上絵は見られるか、と不安になるが、リマからナスカまでは400k以上、ナスカは乾燥地帯だし、あまり心配はないらしい。

リマからイカという町へまず飛び、そこで小型セスナに乗り換えてナスカ地上絵の上を遊覧飛行する。
どんなセスナになるかはイカに行ってからでないと分からないとのことだった。4人乗りくらいの小型のほうがよく見えるし、写真も撮れるが、当然、揺れる。12・3人乗りの場合は、揺れは少ないが、写真撮影はちょっと・・・とのこと。

ナスカ地上絵遊覧飛行については、地上絵を見るための旋回で凄い酔う、というのが、もっぱらの噂である。パイロットが地上絵を見せるために、右に左に旋回を繰り返すので、げろげろ状態になるというのだ。

でもね。わたしの場合は、それ以前にセスナに乗りたくない理由がある・・・。
そもそも、セスナが恐いんである。あの、ふわ〜っと落ちるような感覚が生理的に我慢できないんだよね。我慢できないというより、正直、死ぬう〜〜〜って思っちゃうんだよね。ジェットコースターも駄目だし、いや次元が違うんだよ。ジェットコースターは一応、線路だかなんだかあるけど、セスナの場合はなんもないじゃん、下に。だから、ほんとは、乗りたくないのお(涙)。ジェットコースターですら絶対乗らないのに、なんでセスナに乗らなくちゃならないんだよお・・・はい、ナスカの地上絵を見るためです。そこまでして見たいか。はい。見たいです。ううう。

・・・ということで、12・3人乗りのセスナになったときは、正直、ほっとした。少しはましかと思って。


でも、甘かった。飛び始めてすぐ、もう降りる状態である。降りられないんだけどね。もちろん。もう嫌だ。泣きそう。ううう。怖いよお。生理的にだめなんだよお。

え〜〜ん。イカから地上絵までは約25分。どうやって我慢すればいいんだ。ううううう。

でも、実は10分か15分くらい飛んだあたりから、見え始めるのだ。
左の写真みたいのが。

ラインおよび滑走路とかいわれる地上絵が。

そもそも、日本ではナスカといえば「地上絵」だけど、他の国では「ナスカライン」という。
「絵」より「ライン」なのである。

凄い凄い。まっすぐな線が延々続いている。

そのラインが交差したり・・・。
おおおおお。



そして、いよいよ地上絵が見え始める。

イカからのフライトだと、最初に見えてくるのは
「フクロウ人間」とか「宇宙飛行士」とかいわれているもの。

さあ。地上絵はどこでしょう(爆)。

パイロットは叫ぶ「ライト、ライト、ラ〜イ〜ト〜」
えええええっ。どこよどこよ。

あ、あれあれっ、と誰かが叫ぶ。

全員身を乗り出して地上絵探しである。

あったあ。あれねあれね。山肌にある奴ね〜。

大騒ぎの始まりである。

セスナは次々に、地上絵の上を回っていく。
宇宙飛行士、猿、犬、コンドル、くも、はちどり、
手、木、ペリカン、おうむ。


左は、はちどり。
かなりラインがはっきりしているもののひとつ。実物は、ほんと、はちどりに見えるから不思議。

だけど、白状します。わたしは、結構、早い時期に写真撮るの諦めちゃいました。

だって、大変なんだもん。
まず、地上絵を探すのが大変。
見つかってもカメラを構えている間にセスナが旋回しちゃうから、ファインダー覗く時には、もう、どこにあるかわかんなくなっちゃう。



地上絵自体は、実際のところ、想像してたのより、かなりはっきり見えるんだけどね。

たとえば、左は地上絵の中でも、かなり大きい「おうむ」とか「とんぼ」と言われているものの一部だけど、肉眼では、もっと、はっきり見えたような気がする。

ただ、見えても、写真に撮るのは大変なんですよ。この「おうむ」なんかは、でかすぎて全体はなかなか写せない。



左は「ペリカン」とか「パリワナ」とかいわれてるコンドルの地上絵の首の部分をぎざぎざに長くしたような絵の一部分なんだけどね、真下だあ、と思うとセスナの機体が写っちゃうしさ。

まあ、一言で言えば、わたしが下手だからですけどね、はい。

ということで、早々に、写真撮るのは諦めました。その分、じっくりと地上絵を見ようと・・・。


おかげで、10個の地上絵は、しっかりくっきり、この目で見てまいりました。

それに、強がりをいうなら、地上絵を探していると、目的の地上絵以外の絵も、結構、視界に入ってくる・・・・たとえば、ぐるぐる模様、螺旋とか、猿のそばにも変な模様があったし。あれは、なに〜?というのが、結構、たくさん見える。
そんなのも、しっかり見てまいりました。
いや〜、それに、やっぱり目立つのはラインですよ。あと滑走路みたいな奴ね。いっぱいあるんだ、これが。

え〜ん、でも、やっぱり写真もしっかり撮りたかったですけど。いや、実は、枚数だけは結構撮ってるんだけどね。コンドルなんかも、(いちおう)写ってるんですよ。え、なんで載せないんだって?
そりゃ、もちろん、お見せできるものではないからです。ぐすん。

そんなことで、興奮の地上絵遊覧はおしまい。時間にして30分くらいかな。

ナスカの地上絵が何か、については有名なカレンダー説の他に、蜃気楼・逃げ水を呼び込もうとしたものだ、とか、地下水脈の位置を表している、とか、宇宙人が描いたとか、色んな説があるけれど、あれだけラインが縦横に走っていることを考えると、地上絵よりラインの方から考えたほうが真相に迫れるんじゃないだろうか、などと素人ながら考えてしまう。

セスナ酔いの方は、どうなったって?
だ〜れも、酔いませんでした。興奮して、騒ぎまくって、酔っ払う暇ありませんでした。

セスナ怖いんじゃなかったっけ?
はい、怖いです。でも、やっぱ、本物見るべきです。テレビや本で見るのとは全然違う。
あのラインが延々と続いているところや、地上絵とラインの大きさの比較なんかは、実際に空から見ないと分からないもの。だいじょうぶ、すぐに興奮して、怖いの忘れるから。

地上絵遊覧の感想。
あ〜面白かった。
あ〜疲れた。

興奮しすぎ。


帰りは20分もかからなかったような気がする。
イカの空港に戻り、食事のあと、簡単なイカ観光である。

右はイカの空港。
まあ、ほとんどお土産屋といっていい。


この裏手には、コンドルなんかもいます。
右は、飛べないコンドルのペペ君。

子供のときに保護されたらしいんだけど、そのときには、もう、飛べなくなっていて、現在、リハビリ、特訓中。

一応、この航空会社のアイドルになっている。会社の名前がアエロ・コンドルだからかな。

正直、かわいい〜っていうんではないんだけど、ぺぺ君、飛べるようになるといいね。




イカの町は、周囲が砂丘で囲まれた砂漠の中の町である。

小さなオアシスもあるが、観光客として外せないのは博物館。

ここには地上絵を描いたと思われるナスカ文明(紀元100〜600年)の壷や織物、ミイラなどが展示されている。

昔は展示物も少なかったらしいけど、今は、かなり充実しています。お勧め。

博物館の庭には、アルパカがのどかに草を食べている。
でも、誰も、もう写真に撮らない。

アルパカに飽きたころ、ツアーも終わる。

あとはリマに戻り、深夜の便でヒューストン経由で成田への長い長い帰国の旅が残るだけ。
ペルーよかった。また、来たい。


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