5日目・ドゥラ・エウロポス遺跡とマリ遺跡


今日は、デリ・ゾールの町からイラク国境近くまで行き、ドゥラ・エウロポス遺跡とマリ遺跡を見学してから、再び、デリ・ゾールの町に戻り、今回のツアーのハイライトの一つ、パルミュラに向かう。イラク国境まで20Kの地点まで行くんである。どきどき。


まずは、デリ・ゾールの町を出て、イラク国境方向へ向かう。

町を出て、すぐに見えたのが右のカラート・ラハパという遺跡。小高い丘の上にある12世紀の砦である。

モンゴル軍の侵略により13世紀には放棄されたというが・・・。

廃墟の砦というのも見てみたいが、小さい車でないと登れないような道らしい。




        ドウラ・エウロポス遺跡

デリ・ゾールの町から車で1時間半ほどで、巨大な遺跡が見えてくる。

でかい。

この遺跡はアレキサンダー大王の武将セレウコスによって造られた軍事都市。
その後、ローマ軍などの支配を経て、3世紀にササン朝ペルシャに滅ぼされたとのこと。

一見すると、日干し煉瓦の山である。

しかし、この遺跡からは古代シナゴーグの壁画などが発見され、ダマスカスの国立博物館の目玉になっているのだ。


この巨大な遺跡を、暑さにめげつつ奥に進むと、いきなり目の前が開け、ユーフラティス川と、その周囲の緑が目に飛び込んでくる。

実は、これが結構、快感である。

こちら側は、乾ききったような遺跡なのに、目の前に広がるユーフラティス川。
なるほど、これは軍事的に大事な場所だったのね〜と、ひしひしと伝わってくる。
この場所は押さえたいね。
発掘は、まだ、一部分しか進んでいないけど、頑張ってもらいたいものである。



                            
いや〜。それにしても暑い暑い・・・暑くなるっていうんで、朝早く出発したんだけど、十分、暑い〜。

暑さにへばりながら、遺跡から出ようとすると、なんと、この暑い中、スコップ持って働いている若いお兄さん達がいるではないですか。

何だろう、兵隊さん?と思いきや・・

彼らはシリアの高校生。
ボランティア活動で遺跡の清掃作業をしているんだって。
で、引率の先生だかなんだかと一緒に記念撮影してもらいました。

彼らも、写真を撮られるのが好きですね。
で、あいかわらず、写真を送ってくれともいわない。
どうも、写真に撮ってもらうことを純粋に楽しむというのがシリア人の共通傾向らしい。
う〜ん。不思議だ。
まあ、彼らとしては、暑いから、少しでもさぼりたかったのかもしれないけど。




        マリ遺跡
ドゥラ・エウロポス遺跡を出て、更にイラク国境近くに走るとマリ遺跡に着く。

イラク国境まで、わずか20Kのところである。

実は、ここはさすがに心配で、出発前に何度も治安状況を問い合わせたところ。

大丈夫ですとは、言われていたが・・・ほんとに平穏そのものである。

マリといえばメソポタミア文明の中心地のひとつ。紀元前3000〜1700年ころ栄えたという古代遺跡である。
ここから発掘された出土品は色んな本にも載っているし。

しかし、しかし。
実際に行ってみると、泥の山である。

日干し煉瓦ですからね。基本的に。

一部、大事なところにはフランスから贈られた天幕なんかがかかってるんだけど、素人には単に見ただけではわかりません。ぶ〜。

ここの遺跡からはイラクのテレビ塔が見える。



マリ遺跡の前には、チャイハネ(茶店)がある。ここで、遺跡観光後、しばらく休むことに。ともかく暑いですから。
随分とチャイを御馳走になった。

ここのチャイハネの店主は、チャイハネ経営のほかに遺跡管理と絵葉書等のお土産販売で儲けているらしく、なんと奥さんが3人いる。
現在、4人目をもらうことになっているらしい。

ということで、子沢山である。

チャイハネでは、まだ幼さの残る男の子がお茶を入れてくれたが、彼の妹らしい子達が、顔を出した。

かわいい♪

みんなで彼女らをモデルに写真撮影開始。

ちっこい子は、ポーズとってたりして。

う〜ん。ほんとシリアの子供はかわいいなあ。




ぱちぱち・・と撮っていたらですね。
出てくる、出てくる・・・
次々に・・・。

さあ、全部で何人いるのでしょう。

親は把握してるのかね、自分の子供の数。


イラク国境まで20Kの地点で、のどかに育つ子供達。
なんにも危ないことなく、このまま元気に育って欲しいよね。




マリ遺跡の観光後、一路、デリ・ゾールに戻り、昼食を取る。うだるような暑さの中、今度は、パルミュラに向けて出発である。



シリアの砂漠というか土漠を貫く道をひた走る。
途中には、いくつも、あれも遺跡なんだろうな・・というテルと呼ばれる山がある。日干し煉瓦でできた遺跡は時の経過で山みたいになっちゃうんである。いっぱいあって手が付けられないらしい。

それと油田。更には空軍基地なんかもある。いいのか、軍事施設の横を観光バスが走って。意外とシリアは太っ腹である。

バスは3時間ほど、ひた走る。ベドウィンが駱駝や羊を放牧している。


そして、夕刻。パルミュラに到着。バスは遺跡脇の道路を走る。

う。うつくし〜〜。すばらし〜〜。
さ、さすがは世界で最も美しい遺跡、といわれるだけのことはある。広い。立派。奇麗。
車内騒然。

大興奮のままホテルに着く。暑くなると観光が大変なので、明日は日の出前から観光しましょう、という添乗員君の言葉に、全員何の異論もなく素直にうんうん状態である。見たいっ。早く見たいよお。


ホテルは超豪華だが、がらがらである(左)。

従業員は、みんな、われわれを見て、客が来たぞ〜〜と大喜びである。

イラク戦争のあおりで、しばらく客が遠のいていたらしい。久しぶりの客だぞ〜。金持ちにっぽんじんだぞ〜〜というとことか。

受付のおじさんは、ルームナンバーを告げるだけで、くるくる回ってくれるし。
掃除のおじさんまでスキップしながらモップを使っている。まじ、喜んでる(汗)。
うんうん。平和が一番。


夕食の後、星を見るために、外に出た。三日月が明るい。
月を手で隠すだけで、星の見え方が違う、と教えてもらった。ホントだ。
さそり座は低く、天の川を挟んで夏の大三角形がしっかり見える。天の川。メキシコ以来だぜ。


さあ。明日は、今回のツアーのハイライト、パルミュラである。早起きするぞ。がんばる。



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