ルクソール神殿


ルクソール神殿はルクソール東岸にある神殿で、カルナック神殿の副神殿として造られたもの。カルナック神殿はアメン神に捧げられた巨大神殿だが、その副神殿であるルクソール神殿も当然、アメン神に捧げられたもの。すぐそばにカルナック神殿があるにもかかわらず、なぜ、この神殿が作られたかというと、毎年、ナイルの増水期にアメン神と妻ムト女神の結婚の祭礼(オペトの祭礼)がここでとり行われたのだそうだ。そのため、レリーフには祭りの様子を描いたものも多い。

この神殿は、ほとんどの部分がアメンホテプ3世とラメセス2世の時代に建てられている。

アメンホテプ3世とラメセス2世の間に、アクエンアテンによる宗教改革(アテン神を唯一神とするアマルナ時代)があることを考えると、ちょっと面白い。



神殿の入口の手前にはスフィンクス参道が残っている。

この参道、もともとはカルナック神殿とルクソール神殿をつなぐもので、かっては3キロにわたり、このスフィンクスが並んでいた。


このスフィンクス参道はアメンホテプ3世が建てたもの。
アメンホテプ3世はラメセス2世より100年以上前の紀元前1400年ころの王で、当時のエジプトは繁栄の絶頂期にあった。





入口の第一塔門とオベリスク。

夕方、ライトアップが始まったときのもの。

この第一塔門とオベリスクはラメセス2世が作ったもの。
塔門の前にはラメセス2世の坐像や立像も飾られている。


オベリスクも、本来は左右にあったのだが、今は1本しかなく、片方はフランスのコンコルド広場に飾られている。




第一塔門とオベリスクを横から見たところ

古代エジプトの塔門は重量を考慮したからか、台形の形に石を積んで作っている。この角度からだと塔門の構造がわかりやすい。

入口の左右にラメセス2世の坐像があり、かっては、その前にオベリスクが2本立っていたわけだ。
右側の坐像の前には、持ち去られたオベリスクの台座らしきものだけが残っている。
オベリスクが2つ並んでいたら、さぞ立派だったと思うのだけれど、フランスは時計を贈って、ここのオベリスクを持ち去ったのである。ひどいね。


また、ちょっとわかりにくいけれど、オベリスクの奥にはラメセス2世の頭像が置いてある。
もともとは他にも王の像があり、頭の部分だけ残ったらしい。



塔門を抜けると、ラメセス2世の中庭と呼ばれるラメセス2世の像が立ち並ぶ空間。

ここでも、ラメセス2世は自分の像を立てまくっている。
全部でいくつあるのか・・数えて来ればよかった。




ラメセス2世だけでなく、愛妃ネフェルタリなども彫られている。
また、王の像の後ろにも、レリーフが残されている。


左下は、ネフェルタリのレリーフ。彼女のレリーフは、どれもほっそりした姿
右下は、アメン神。勃起した男性器を持つ姿。もともとは、ミン神と呼ばれる豊穣神がこのような姿で表わされたが、後にアメン神はミン神の性格をも持つようになった。ミン神もアメン神も二枚の大きな羽根を冠としてつけている点では共通。



壁には、お祭りのレリーフが多い。

左は、お祭りのための捧げ物を運んでいるレリーフ。




この牛も捧げ物とされるのである。


他にもラメセス2世の王子達が神殿を礼拝する場面など、多くのレリーフが彫られている。




国王夫妻の坐像

この坐像、現地ガイドからは「ツタンカーメン夫婦の像」であって「ツタンカーメンのものは、ほとんど残っていないので珍しい」との説明を受けた。

二人の顔立ちが若々しく見えることから、その場では納得して感心したのだが、帰国してから本を見ると、「ラメセス2世と妻ネフェルタリの像」とある。

どっちが本当なのか。


ただ、非常に若々しい国王夫妻の像であることは間違いないだろう。

場所はラメセス2世の中庭にあるので、ラメセス2世とネフェルタリの像と考えるほうが素直かもしれないけれど。




大列柱廊

ラメセス2世の中庭を抜けると、そこから奥は、アメンホテプ3世が築造した部分となる。

ラメセス2世の中庭からアメンホテプ3世の中庭と呼ばれる広場をつなぐ形で、巨大な列柱が立っており、大列柱廊と呼ばれている。

高さは17m。






柱の形は開花式パピルス柱と呼ばれるもの。





大列柱廊を抜けると、アメンホテプ3世の中庭と呼ばれる場所に出る。

こちらの柱は、パピルスを8本束ねた姿を表したもの


この中庭の奥にオペドの祭りの時に、アメン神を乗せた聖船を安置する祠堂があり、そこでアレキサンダー大王がアメン神に捧げ物をしたことからアレキサンダー大王の間と呼ばれている。

一番奥の至聖所は残念ながら、一番壊れてしまっている。





祭りの捧げ物を描いたレリーフ






鳥や果物など、多くの捧げ物が描かれている。









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