モンテアルバン

モンテアルバンはオアハカ州の州都オアハカから近い高原地帯にあるサポテカ族の遺跡である。
その意味は、「白い丘」。季節になると白い花が咲き乱れることから、そのように呼ばれているらしい。もっとも、サポテカ族には「聖なる山」と呼ばれていたらしい。この遺跡は高原地帯の山の頂上を平坦にならして築かれているので、この場所自体に何か宗教的意味があったのかもしれない。

モンテアルバン遺跡はサポテカ族が、なんと紀元前500年ころから築き始めたという古い都市で、紀元後300年から750年ころに最盛期を迎えた。中央アメリカで最も長く栄えた都市である。
テオティワカンとの交易も盛んだったらしいが、テオティワカン滅亡後も、しばらくの間、隆盛を誇っていた。サポテカ族は850年ころから移動を開始し、付近のミトラ遺跡などを作るようになるが、14・15世紀にはミシュテカ族がこの地に入り、支配者達の埋葬地として利用した。

この遺跡は、高原の乾いた空気が爽やかで、しかも、広々としていて、なんともいえず気持ちがいい。しかし、広々としていることが、逆に写真写りを悪くしているみたいだ。実際は、写真より数段いい遺跡です。そのつもりで、下手な写真を見てください。



遺跡の入口にあった案内板

この絵の左側にあるのは隣接する博物館で、遺跡自体は右側の部分になる。

この遺跡、南北に長方形をしており、南北300m、東西200mという広さ。

北側と南側に、それそれ大基壇が築かれて、両脇というか、東西に、それぞれ建築物が並んでいる。
その中には、「踊る人々」のレリーフで有名な、踊る人々の宮殿というものもある。


また、中央部分にも、天文台といわれる建造物が建てられていて、それだけ違う方向を向いているのが面白い。


球戯場なども残っている。


左は北の大基壇から遺跡西側方向を見たもの。

手前には一段低くなった広場があり、おそらく、ここで祭事を行ったのだろうと思われる(ここも北の大基壇の一部を構成している)。

その上には太い円柱が立ち並ぶ区画がある(写真中央部分)。この円柱は、もともとの高さが3・4mあり、萱葺きもしくは木造の屋根が乗っていたらしい。

この円柱の建造物跡の裏側は階段になっていて、大広場に通じている。その奥に並ぶ建造物は、手前からコンプレックスW、踊る人々の宮殿ド。


円柱の建造物跡から大広場に通じる階段。

私が訪れたとき(2003年1月)は修理中だったが、数日後にメキシコシティで買った本によると、サポテカ様式の「メキシコ古文明最古の階段」となっている。

おそらく石組みの階段としては最古のもの、という意味だと思うが。

モンテアルバンは1999年の地震で大きな被害を受けたらしく、その後、しばらく修復作業が続けられているらしい。


踊る人々の宮殿前に置かれた、レリーフ。
この宮殿とレリーフは、モンテアルバンの中でも、最も初期の紀元前500〜200年ころに作られたものらしい

これはレプリカであるが、この奇妙な形から「踊る人々」と名づけられたものの、実際には戦争で敗れ捕虜になった人々が、裸にされ、性器を切り取られたり、拷問・辱めを受けて殺されたところを描いたものといわれている。

痛々しいテーマだが、当時の、この地方が戦乱の多い時代だったということを物語っているのかもしれない。



南の大基壇から見た、コンプレックスMと踊る人々の宮殿。


建造物群の裏手に見えるのはオアハカ盆地












南の大基壇から見た北の大基壇方向。

手前にある変わった形の建物は天文台と呼ばれている。

この建物だけ、45度南北から傾いている。
その傾きこそが、天文台として利用されていたことを意味するというのだが。


一番奥の一段高くなっているのが北の大基壇。




球戯場

サポテカ族もマヤ同様に球戯を行っていたらしく、球戯場がある。

しかし、マヤの球戯場によくあるボールをあてたらしい石の輪はない。
作られたのは紀元前200〜とされ、中米の球戯場の中では最も古いものの一つ。

この球戯場、上から見下ろす形で見学するので、かなり怖い。



遺跡に隣接して博物館がある。

この博物館には、踊る人々の本物や、この遺跡から発見された多くの石碑が飾られているほか、建造物の復元模型なども展示されていて見どころが多い。

右は、石碑の一つ。

中央部分に人物(左)とジャガーのような動物(右)が向かい合って描かれている。














繰り返しになるけれど、モンテアルバンは、どうも写真写りが悪くて損をしている気がする。
メキシコの遺跡めぐりのツアーで、どこの遺跡が一番よかったか、という話になったとき、この遺跡をあげる人も何人かいた。踊る人々のレリーフばかりが有名だけれど、これだけの長い歴史のある遺跡はそうはないし、周囲の眺めといい、気持ちのいい遺跡なので、オアハカに行ったら、ぜひ足を伸ばして欲しいな。

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