ラベンタ遺跡公園

メソアメリカで最も古い文明と言われるのがオルメカ文明。、メキシコ湾岸で紀元前1200年ころから栄えたという文明だ。ラベンタ遺跡公園は、そのオルメカ文明の出土品を集めた野外公園。
メキシコ湾にほど近いビジャエルモッサという街にあって、オルメカ文明の中でも紀元前900年から600年ころに栄えたラベンタ遺跡からの出土品が展示されている。
園内はジャングルのようで、美しい鳥や見慣れぬ動物もいて楽しいが、乾季に行っても蚊が多い。


オルメカ文明で、一般に一番有名なのが、たぶん、この巨大な人の頭。
いわゆる巨石人頭像である。

人の身長よりでかい。2mちょっと。

ラベンタ遺跡公園には複数の巨石人頭像(中には製作途中のようなものもある)があり、どれも微妙に顔が違うのだけど、共通するのは、大きな目と、大きくて平たい鼻と、厚い唇。
アフリカ系人物の顔ではないかと言われるのも納得というか、あまりモンゴロイドの顔には見えない。



そもそも、この巨大な頭が何なのかは分かっていないらしい。
支配者・指導者であるとか、反対に切り落とされた首だとか。

大きなものは3m、50tというのだから、運ぶのも大変だったろう。
だとすると、切り落とされた首というよりは支配者の顔と考える方が自然だと思うが、こういう顔の一族だったのか?上の写真と左は違う像なんだけど、やっぱり似ている。
みんなヘルメットをかぶっている。



赤ちゃんジャガー?

オルメカ文明ではジャガー信仰も有名。

ジャガーが神聖な動物とされたのだが・・・その理由として水の豊富なジャングルに水の神・雨の神がいる・・・ジャングルで強いのはジャガー・・・だからジャガーが神様・・という発想だったのだろう、という説明を読んだことが有る。

連想ゲームみたいだが、ジャガーが信仰されていたことだけは間違いないらしい。
オルメカ文明が栄えたのと同時期の南米のチャビン文明でもジャガー信仰が盛んだったので、なにか両者に関係がありそうだけど、まだよく分かっていないのが残念。

で、左の写真のことを現地ガイドさんは、あかちゃんじゃが〜と説明したのだが・・・本当だろうか。

かわいいけど。



更にジャガーといわれても納得できないのが左。

石のタイルでジャガーの顔を様式化したもの、という説があるのだが、どこが何だか分からない。
蛇という説もあるらしいが、やっぱり何がなんだかわからない。

ただ、このようなタイルを敷き詰めたものは、この公園に他にもある。わざわざ穴を掘って、このようなタイルを敷いたらしい。地下に何か意味があるのか。巨石人頭像も完成直後に埋められているのだそうだ。


オルメカ文明では、ちょっと不気味な石像も多い。

左は死んだ子供を抱く人物像とか、犠牲の子供用祭壇とかいわれているもの。

子供の顔は、オルメカ文明特有の半ジャガー人の顔といわれている。
半ジャガー人というのはジャガーというか猫のような目・口をもつ人間。ジャガー信仰の関係で生まれた像らしい。
神と人をつなぐ存在とされていたらしいのだけど。正直、かわいい顔ではない。

説明を聞いても、なんとなく不気味な印象は消えない。
なんか、地下から半身を出している人物って、こわいじゃん。
この祭壇の横にも石のレリーフがあって、それは生きている子供を現しているというのだけど・・それじゃあ、抱かれている子は何で死んだんだろう?単に子供の死をいたんだ像には見えないんだけどなあ。
そもそも、犠牲の子供用祭壇って・・・なに??(その後、メキシコで買った本には、生贄を捧げる神官、とあった・・・)





もっとも不気味なものだけでなく、ちょっと笑える石像もある。

左は「空を見上げる猿」といわれる石像。

もともとは柱というか、何かを支えていたらしい。

なかなか様式化された面白い石像。
ちょっと近代彫刻みたいな雰囲気もある。













蛇と神官のレリーフ

蛇に乗っているような神官

この神官が頭にかぶっているのが蛇の頭の頭飾り。
ちょっと分かりにくいが、開いた蛇の口から人間の顔が覗いているような、そんな形の頭飾りをつけている。

この動物の開いた口から人間の顔が覗いている、というのはマヤやアステカでも、よく見るモチーフ。

オルメカ文明が後のマヤ文明などに影響を与えているのは間違いがない。

もっとも、かってはオルメカ文明はマヤ文明の母とまで言われていたものの、今は、かなり古いマヤ文明の遺跡が次々と発見されてきたことから、母とまで言えるか、姉くらいではないかといわれたりもしているらしいが。


オルメカのものを見るのだったら、やっぱりここに来るべき。遺跡公園と隣接して動物園もあって、ジャガーだけでなく、綺麗な山猫たちもたくさんいて楽しい。
でも、虫の多さは半端じゃない。乾季に行くのでも長袖と虫除けスプレーは必須。雨季に行くなら、かなりの覚悟が必要と思う(ここだけで、虫除けスプレー一本使い切るとの経験者の声も・・・)。


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