10日目

ボパールという街はマディヤ・ブラデーシュ州という舌を噛みそうな名前の州の州都。
大きな湖があって、とっても綺麗な街だ。ボパールという名前も「湖」という意味らしい。

21年前に近くの化学工場から毒ガスが出て、1万3000人もの人が犠牲になったという悲劇が起きたということだが、今は、そんなことが信じられないくらい穏やかな雰囲気だ。
人口は約180万人で、そのうち約4割がイスラム教徒だという。そういえば、朝、アザーンが聞こえたな。

8時半にホテルを出て、世界遺産サンチーに向かう。
サンチーは二度目だ。



前に来たとき、サンチーに向かう道沿いの村がどれも崩れそうな家ばかりで余りに貧しいのに驚いたのだけど、今回、どの村も家が少し立派(というのは言いすぎだけど、少なくともどの家も壁がちゃんとしていた)になっていて、最近インド経済がいいというのは本当なのかな、という気がした。

それでも、まだまだ貧しいみたいだけど・・・。
なぜか、インドの仏教遺跡があるところは、貧しい地方が多いんだそうだ。

そういう地方にも豊かさが及んでくれば、インド経済も本物なんだろうけど・・・。

サンチーに向かう途中、踏み切り待ちでバスが止まったとき、踏み切りの横の露天商に近所の人たちが集まってた。

人懐っこい人たちが多い。

子供達の多くが裸足だったのが印象的。




サンチー

サンチーはお釈迦様が説法をしたとか奇跡を起こしたという場所ではないけれど、紀元前3世紀にマウリヤ朝のアショカ王がお釈迦様の遺骨を祀るストゥーパを建ててから聖地とされ、その後、2世紀のクシャナ朝のカニシカ王の時代に拡張され、以後仏教センターとして栄えたところ。
現在は3つのストゥーパと僧院跡が残されている。

ボパールを出てから、バスで2時間弱(あいかわらず道がめちゃ悪い)。サンチーのレストハウスに到着。
サンチーというのは「静かなところ」という意味。高さ91mの丘の上に目指すストゥーパ群はある。

第1ストゥーパ

入口から入って、中央に目に入るのが、最も大きな第1ストゥーパ。

お釈迦様の遺骨を祀るストゥーパで、ご覧のように半球型のドームになっている。ドームの直径は36m。

てっぺんに小さな三重の塔のようなものがあるが、これは傘蓋。お釈迦様のような偉い人の場合は三重になっている。現在・未来・過去を意味するのだとか。

そして、ストゥーパの周囲東西南北に鳥居の起源ではないかといわれるトラナ(塔門)が建てられている。

サンチーで有名なのは、このトラナのレリーフの美しさ。



左下は入口から正面にあるトラナ。北側にあたる。一番保存状態がいい。
右下は南側のトラナ。本来の正門。4匹の獅子像がある。アショカ石柱もこの横にあった。



トラナの上部部分

左下は東側のトラナ 象とヤクシー(門を守る女神)
右下は西側のトラナ 4人のヤクシャが支えている。4人はみな表情が違う。
サンチーのレリーフは仏教初期のレリーフであるため、お釈迦様の姿は彫られていない。
お釈迦様は菩提樹・法輪などで表現されている。水の上を歩くお釈迦様なんかは細長い長方形で、説明されないと分かりにくいかもしれない。
トラナ上部の渦巻き模様は仏教の教えがあまねく広まるように、という意味だとか

ともかくトラナは、いたるところ、びっしりと彫り込まれていて見ごたえがある。
レリーフの内容はお釈迦様の生涯や仏教説話、そしてアショカ王の生活といったものが中心。ガイドさんの説明を聞きながら見ていくと、それだけでかなりの時間がかかる。


でも、難しい話が分からなくても、純粋に綺麗だ。彫りも深いし、細かいし。白い石に彫られているので、青い空にとてもよくはえる・・。




第3ストゥーパ


第1ストゥーパのすぐ横に、ある小さなストゥーパが第3ストゥーパ

直径は約15m。

てっぺんにある傘蓋が一つなのは、これはお釈迦様のお弟子さんの遺骨を祀るストゥーパだから。
お釈迦様みたいに悟りを開いていないから、ということなのか。

でも、お弟子さんといっても十大弟子といわれる人達二人の遺骨が祀られていたというのだから、やっぱり凄い。




第2ストゥーパ
第2ストゥーパは少し離れたところにある。

第1ストゥーパの裏にある僧院跡の横の細い道を下ってちょっと行くと見えてくる。

大きさは第3ストゥーパとほぼ変わらない。

ここにはトラナはないけれど、代わりにストゥーパを取り巻く欄楯(らんじゅん)が見どころ。

鳥や花といった美しいレリーフが彫られてている。
結構、可愛いものが多い。

右の写真なんかは、アショカ石柱のレリーフなのかな、と思って撮ったんだけど、よく見たら、獅子ではなく象が柱の上に乗ってるんだよね。
なんなんだろう、これ。

ただ、アショカ石柱の頂上には、右の写真のように法輪が乗っていたらしい。




サンチーには博物館もあって、前回は見学したんだけど、今回は見ないんだそうだ。けち。

でも、機会があったらおすすめである。結構、いいものが多かった記憶がある。

どうも、今回のツアーは、見学が寂しい気がする・・・。


この後、遅い食事を取って、ボパールに戻り、夕方の列車でプシャワールまで移動することになっているのだけれど、これが凄かった。

駅が凄い人なのである。東京の通勤時間帯のホームか、それ以上くらいの混みようだ。
どうやらメッカ巡礼の人達らしい。おまけにコンピューターの故障とかで、座席番号が分からない。大混雑の駅で、あいかわらず時間通りに来ない列車を待ち、やっと来た列車に乗ってからは座席を求めて右往左往である。ううう。

これがインドなんでしょうけどねえ・・・・・目的のジャルガオンのホテルに着いたのは深夜1時を回っていた。サンチーを見学しようとすると、どうしても移動が大変にはなるらしいけど、どうにかならんかなあ・・・・。
なんか、どっと疲れたわ。列車の中でも少しは寝たんだけどね・・・・。

今日のホテルは、今回のツアーで唯一お風呂もなければ、シャワーの出も保証されていないホテル。でも、結構清潔だし、まあ、明日はアジャンタ見学なんで、ともかく寝ます。

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