4日目・ユーフラテス川へ
今日はアレッポを出て、ひたすらユーフラテス川を目指す。目標地点はデリ・ゾールという「夏の暑さで有名」な町。明日以降の観光の拠点となるところ。つまりは、今日は、移動日というわけ。
どうせ、移動日だぜ〜ということで、バス内の空気はだれ切っている。
気配を察した添乗員君が、現地ガイドと相談したらしく、急遽、アサド湖というところに立ち寄ることとなった。
今度のガイド君は、若いんだけど凄い気が回る。本人はデスクワークを望んでいるそうだが、どう見ても添乗員向きである。
さて、アサド湖・・・ユーフラテス川をせき止めて作った人造湖である。
シリアにこんなにでかい湖がと驚くばかりの広さ。青さである。
琵琶湖より、ずっと大きいらしい。向こう岸は霞んでいて見えない。
ガイドブックによると、この湖には12世紀に立てられた湖上の要塞もあるというから、人造湖といっても歴史は古いらしい。
昔から、この地の人たちが、ユーフラテス川の恩恵を受けようと努力していたということか。そういえば、メソポタミア文明自体、灌漑のために国家が形成されたとかいうものな。
ここで、偶然、出会ったのが、右の写真の大家族。
総勢・・・30人は越えていたと思う。
写真中央が、どうも一族の中心人物のおじさん。
このおじさんの奥さんが何人いるのか知らないが、ともかく奥さんとその子供達と、その孫達、らしい。
アレッポから、一族でトラックに乗って水浴びに来たんだって。
そういえば、今日は金曜日。
イスラムではお休みの日である。
で、この一族、やたら愛想がいいというか・・・
子供達は、生の日本人を見ておおはしゃぎである。
いや、結構、いい年の兄ちゃん姉ちゃんも、大喜びである。
で、写真を撮ってくれ、と勢ぞろいなんである。
どうも、撮られること自体が楽しいらしい。写真を送ってくれとかいわないんだよね。ただただ、撮ってくれ〜状態。
女の子も小さいうちは水着を着てる。結構、かわいい。
で、一族の若いのがはしゃいでいるのを、おじさんは悠然と見守っているのである。
わたしらがバスに戻るのを、この一族は、いつまでも手を振って見送ってくれました。
シリアの人たちって、愛想がいいというか、人が良いというか・・・。
バスに乗り込み、ルサファ遺跡を目指す。アサド湖を離れると茶色い大地が続く。
ルサファ遺跡
ルサファという遺跡は、地球の歩き方にも載っていない。
旅行前に調べた本にも、帰国後に調べた本にも載っていなかった。
かなりの専門書でないと書いてないのかもしれない。
この遺跡はローマ時代の遺跡である。
写真を見れば、一目でわかるように、枯れ果てた土漠にある。
なぜ、こんな場所に都市を作ったのか・・・。
忘れられた遺跡・・・というカンジである。もちろん、わたし達の他に、観光客もいない。
暑い中、遺跡観光である。
遺跡を歩くと、石が白く光っているのに気がつく。
石英??
う〜〜ん。説明を受けたんだけど、メモるのを忘れた。
ともかく、もともと、この町は、白く光る石で作られていたらしい。
だから、往時は、幻想的な美しさをもった町だったに違いない。
遺跡は、あまり復元もされていないが、水を貯めた地下の貯水池とか、初期キリスト教会の跡などがある。
ローマ帝国の軍人で聖人とされた人物を祭る教会などがあったらしい。
しかし、いまは、訪れる人もほとんどない遺跡である。
シリアは、さすが歴史の国である。こんな遺跡がたぶん、国中いたるところにあるのだろう。
遺跡観光のあと、バスは、ユーフラテス川を目指す。川が近くなると、乾いた大地にも、時々緑の線が見えてくる。雨季になると川となり乾季には枯れてしまう川・・・そんなところに緑が生えているのである。水というのが、どれだけ凄いものなのか、乾いた大地を通ると身にしみる。
ユーフラテス川が近くなると、さすがに緑である。遅いお昼をユーフラテス川ほとりのラッカという町でとることになった。ところが、今日は金曜日でイスラムの休日ということもあって、予定していたレストランはお休みなんである。大至急、探し当てたのが小さなホテルのレストラン。
で、このレストランでは、我々は、はじめての日本人、だったらしい。店中、異様な興奮である。料理は巨大ななまずのフライ。ユーフラテス川のなまずらしい。添乗員君には一匹サービスである。それにしても、ごはんがなかなか出てこない・・・なんと日本米のようなご飯がでてきたんである。日本人はインディカを食べないということを知っていたのか。なんか、凄いサービスである。で、レストランの支配人が、これでよかったか、満足したか、日本人、どきどき、状態なのである。おいしかったよ〜。ありがとうね〜というと、支配人は大感激して、我々全員に名刺を配ってくれました。う〜〜む。
ご飯が出てくるのに時間がかかったのが・・3時半ころ、レストランを出て、目的地デリ・ゾールに着いたのは5時過ぎ。
本来、閉館しているデリ・ゾール博物館を見学し、その後は、町の散策・・・この町の見所はデリ・ゾール橋というユーフラティス川にかかる吊り橋である。
この橋は、あるいてユーフラティス川を渡れるということで有名なんだが、わたしらが行った当日は金曜日でお休みのこともあって、地元の兄ちゃん達の飛び込み合戦で盛り上がっておりました。
右の写真でわかるように、兄ちゃんが、吊り橋のロープをよじ登って、そこからユーフラティス川に飛び込むんである。ハマの水車のときもそうだったが、やはり、できるだけ高いところから飛び込むほうが、かっこいい、ということになっているらしい。しかも、この兄ちゃん達、わたしらを見つけて、写真を撮れ撮れと、うるさいうるさい。
ここでも、写真を送ってくれ、というわけでない。純粋に撮ってもらいたいらしい。ふしぎ〜。
兄ちゃん達をかまいながら、我々は時が過ぎるのを待つ。
というのは、ここはユーフラティス川の夕日を撮る絶好のポイントでもあるからである。
日が沈んだのは、午後7時半ころだったか・・・。
ユーフラティス川は広い。
ここら辺は、まだ、中流にあたるのだろうが、広い中州を挟んで、ゆったりと流れている。
ユーフラティス川にかかる橋を行ったり来たりしながら、日の沈むのを待ち、撮った写真が右。
まあ、わたしの写真がへぼなことは今更、言うまでもありませんが。
でも、よかったよ。ユーフラティス川の夕陽。
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